
うちのトイプードル(今は11歳になる男の子)も、8歳を過ぎた頃から、よく寝るようになったんです。
朝ごはんを食べた後はお気に入りのクッションに直行、気がつけば夕方までぐっすり…。
お散歩に誘っても「え〜…今?」みたいな顔をされることも増えてきて(笑)、最初は正直、ちょっとショックでした。
「え、なんでこんなに寝るの?」「もしかして体調が悪いのかな…?」
毎日一緒に暮らしているからこそ、ちょっとした変化にも敏感になりますよね。
そんな様子を見ていると、「うちの子、もしかして“やる気不足”なのかな…?」って、つい考えてしまうこともあると思います。
あなたも同じようなことで悩んでいませんか?
「もう年だからかな」「でも、まだそんなに老犬ってほどでもないし…」と、モヤモヤした気持ち、すごくよくわかります。
今回は、“寝てばかりいるワンコ”の本当の気持ちについて、私自身の体験も交えながら、やさしく丁寧にお話ししていきますね。
最後まで読んでいただければ、「じゃあ、今のこの子に合った過ごし方をしてあげよう」と、きっと前向きな気持ちになれると思います。
1.原因・背景の解説
ワンコが寝てばかりになるのには、いくつかの理由があります。
まず最初に知っておきたいのは、「犬はもともとよく寝る動物」ということです。
成犬の平均的な睡眠時間は、なんと1日12〜14時間ほど。シニア期になると最大で18時間前後寝ていることも珍しくありません。
これは決して怠けているわけではなく、体を回復させたり、ストレスを軽減したりするために必要な時間なのです。
とはいえ、「最近、急に寝てばかりになった」「お散歩や遊びにもあまり反応しなくなった」などの変化があると、ちょっと心配になりますよね。
では、やる気がないように見える原因には、どんなものがあるのでしょうか?
いくつか代表的な背景を、以下にまとめてみました。
原因 | 内容 |
---|---|
年齢による自然な変化 | 年を重ねるごとに体力が落ち、活動量が減るのは自然なことです。特に7歳を過ぎた頃からは、シニアの入り口と言われています。 |
気温や気圧の変化 | 季節の変わり目や低気圧の日は、だるさを感じて寝てばかりになることがあります。これは人間と同じですね。 |
食事の栄養バランス | 食生活が偏っていたり、エネルギー源が足りないと、活動意欲が下がることがあります。 |
ストレスや退屈 | 刺激の少ない毎日が続くと、心が元気を失って「寝てばかり」になることも。環境変化や留守番の時間が長いなども影響します。 |
病気のサイン | 甲状腺機能の低下、心臓や肝臓の疾患、関節の痛みなどが隠れていることもあります。普段との違いをよく観察することが大切です。 |
最近の生活を思い返して、「あ、そういえば…」と心当たりはありますか?
体の不調や心の退屈、それとも気温の変化でしょうか。
原因がひとつだけではなく、いくつかが重なっていることも多いんです。
そして何より大切なのは、「寝ている=悪いこと」と決めつけずに、
“今のうちの子にとって、どんな毎日がちょうどいいのかな?”と、やさしく見つめ直してあげることかもしれません。
次は、そんな悩みを私自身がどう乗り越えたのか、そして実際に試してよかった具体的な対処法をご紹介していきますね。
2.体験談と対処法
うちのトイプードル(名前はモコといいます)が8歳の頃、まさに「寝てばかりで、やる気がなさそう…」という時期がありました。
朝もなかなか起きてこないし、お散歩も玄関まで来たはいいけど、そのままフセ…なんて日も。
最初は「年をとってきたのかな?」と考えていましたが、モコの目に以前のような“キラキラ感”がなくなっていたのが、少し気がかりで…。
病院で検査しても異常はなく、「老化の一環かもしれませんね」と言われましたが、私はどこかで“もっとできることがある気がする”と感じていました。
そこで私が実際に試して、効果を感じた対処法をいくつかご紹介しますね。
✅1. 「朝の小さなワクワク」をつくる
モコは朝が一番眠そうだったので、まずは起きる楽しみをつくることから始めました。
毎朝、ほんの小さな“お楽しみ”を用意したんです。
- 好きなおもちゃを持って「モコ〜、今日はこれで遊ぶよ!」と声をかける
- 朝食のトッピングを日替わりで工夫(ほんの少しのチーズ、すりおろしリンゴなど)
- カーテンを開けて「おはよう!お外きれいだね〜」とテンション高めに話しかける
すると、不思議なことに、少しずつ「ん?今日はなに?」という顔でこっちを見るようになったんです。
毎朝のスタートが変わるだけで、ワンコの気分ってけっこう変わるんですよ。
✅2. 「ミニ散歩」を取り入れる
長い散歩を嫌がる日が増えたので、無理に行こうとせず、5分だけの“気分転換散歩”を始めました。
- 家の周りを1周するだけ
- 公園まで行ってベンチでのんびりするだけ
- 時にはバッグに入れて少し外の空気を吸わせるだけ
これでも十分、「お外に出た」という刺激になったようで、室内での表情が少し明るくなってきたんです。
もし同じ方法を試すとしたら、ワンちゃんのペースに合わせて、「今日はお天気もいいし、5分だけ行ってみようか?」くらいの軽い気持ちでOKです。
「声がけ」と「ふれあい」の質を変える
今までは何気なく声をかけていたのですが、この時期は目を見てゆっくり話しかけることを意識しました。
「モコ、元気ないね。どうしたの?お母さんここにいるよ」と、まるで人間の子どもに話すように。
さらに、背中やお腹をなでる時間も、以前より長めにとるようにしました。
そうすると、モコはとても安心した表情を見せてくれるようになったんです。
「気持ちのやる気」って、外からの刺激だけでなく、こうした“つながり”の中から育まれるものなんですよね。
もちろん、すぐに元通りに戻るわけではありませんでしたが、
これらの工夫を続けることで、モコの“やる気スイッチ”が少しずつ戻ってきたように感じました。
あなたのワンちゃんにも、今の気分にちょうどいい“刺激”や“安心”があると、きっとまた少しずつ元気な姿を見せてくれるはずです。
ぜひ、焦らず、できるところから試してみてくださいね。
次は、日々の「食事」がワンちゃんの気持ちや元気にどう影響するかについてお話ししていきます。
3. 栄養・食事の工夫
「最近、やたら眠そうだな…」「動きたがらないな…」と感じたとき、
実は“食事の内容”がワンちゃんのやる気に大きく関わっていることもあります。
うちのモコも、一時期「寝てばかり」が続いていた頃、フードを少し残す日があったんです。
食欲はゼロではないけれど、以前ほどの「ごはんだー!」という勢いがなくて、なんとなくダラダラ…。
そこで、思い切って食事の中身と与え方を見直してみたところ、
目に見えて元気が戻ってきたんです。
✅1. 「タンパク質の質と量」を見直す
やる気や元気には、筋肉とエネルギーが必要です。
年齢を重ねるほど、筋肉が落ちやすくなるので、良質なタンパク質をしっかりとることがとても大切なんです。
モコには、それまでのフードにたんぱく質がしっかり含まれたトッピングを加えるようにしました。
たとえばこんなものです(あくまで加熱・無塩で):
トッピング例 | 期待できる効果 |
---|---|
鶏むね肉(茹で) | 消化が良く、エネルギー源に。食いつきも良い。 |
白身魚(タラなど) | 低脂肪でたんぱく質豊富。アレルギーも少なめ。 |
卵(少量) | 栄養価が高く、活力UPに。火を通して少量ずつ。 |
それまで“なんとなく食べてた”フードも、こうしたちょっとした工夫で、
「わ〜い!」と喜んで食べるように戻ってきたんです。
✅2. 「腸内環境」にもひと工夫
やる気や感情には、「腸」が関係しているという説、聞いたことありますか?
腸内環境が整うと、心も元気になる――これは人間でも犬でも、共通して言われていることです。
私が意識して加えたのは、以下のような食材です:
- 少量のプレーンヨーグルト(乳糖に注意しながら)
- 茹でたかぼちゃやさつまいも(食物繊維たっぷり)
- 発酵食品入りのおやつ(犬用)
モコは便の状態が安定し、なんだかお腹周りもスッキリした感じに。
そうなると自然と「体を動かしたい気持ち」が出てくるのか、散歩にも前よりノリノリで出かけてくれるようになったんです。
やっぱり、食べるもので体って変わりますよね。
もしあなたのワンちゃんも、最近ちょっと元気がないな…と感じたら、
「今のごはん、少しだけ変えてみようかな?」と、気軽に考えてみてください。
劇的な変化でなくても、“ちょっとした工夫”が、犬の心と体にじわ〜っと効いてくるんです。
5. まとめと読者へのメッセージ
ワンちゃんが寝てばかりいると、「もしかして具合が悪いのかな」「年齢のせいかな」と、いろんな不安がよぎりますよね。
でも、今回お話ししたように、その背景には自然な加齢の変化や生活リズムの影響、そして時には心のエネルギー不足が関係していることもあるんです。
うちのモコのように、ほんの少しの刺激や声がけ、食事の工夫で、また少しずつ元気な姿を見せてくれることもあります。
ワンちゃんは言葉では話せないけれど、その表情やしぐさで「今の自分」を一生懸命伝えてくれているんですよね。
もし今、あなたのワンちゃんが「やる気がないのかな…」と感じるような様子を見せていたとしても、
それは“サボっている”のでも“だらけている”のでもなく、「今の自分にちょうどいい過ごし方を探している最中」かもしれません。
焦らず、できることから少しずつ、
あなたとワンちゃんが心地よく過ごせる時間を見つけていってほしいなと思います。
そして何よりも、あなたのやさしさや観察力こそが、
ワンちゃんにとっては何よりの“元気の素”なんです。
これからも、ワンちゃんとの毎日が穏やかで、たくさんのしっぽフリフリが見られるものでありますように。
👉 「なお、すべての犬に共通するわけではありません。個体差がありますので、様子を見ながら無理のない範囲で試してくださいね。」