愛犬の乳首の周りにイボや突起物などの違和感に気付いたら要注意です。
犬はガンになりやすい動物といわれています。
特に老犬はガンの元となる腫瘍ができやすくなってしまいます。
腫瘍には良性と悪性があり、良性のうちに発見して早期治療を施せば根治も可能です。
腫瘍が悪性になってしまうと、他の臓器に転移してしまい、完治させることは難しくなります。
そして乳腺腫瘍(乳がん)は犬にとってもっともかかりやすい病気です。
また避妊手術をしていないメス犬は、乳腺腫瘍が高確率で起こります。
さらに高齢犬の場合の乳腺の腫瘍のうち、30~40%はガンの可能性があります。
そのため乳首周辺にしこりやイボなどがあったらすぐに獣医師さんに相談しましょう。
今回は、乳腺腫瘍の症状と悪性、良性についてご紹介します。
乳腺腫瘍の症状
乳腺腫瘍の初期症状としては、乳腺組織にイボやしこりなどの塊状の腫瘍がみられることが多いんだ。初期の段階では、米粒の半分くらいの大きさなんだけど、次第に大きくなっていくんだよ。
えっ、それって放っておくとどうなるの?
うむ、放っておくと、野球のボール以上のサイズになってしまうこともあるんじゃよ。腫瘍は大きくなるには時間がかかるが、悪性になると一気に増大することがあるから注意が必要じゃな。
特に老犬(7歳以上)で避妊手術をしていないメス犬の場合、乳腺腫瘍の発生する確率が高く、約半数はガンのリスクがあります。
少なくとも10歳までには避妊手術をしておくことが推奨されます。
それ以上になるとガンの発生率は極端に上がってしまい、手術に耐えられなくもなります。
乳腺腫瘍の良性・悪性
メス犬の腫瘍のうち約半数は乳腺腫瘍です。さらにその腫瘍が良性か悪性かである可能性は約50%といわれています。
そして悪性の乳腺腫瘍のうち、その半分は他の身体の部位に転移してしまう危険性があります。
しかし悪性であっても、1cm以下の腫瘍であれば早めに手術で摘出することによって完治させることが可能です。
肥大化するにつれて切除は難しく、転移の可能性が高まります。
良性か悪性かを判断するのは難しいです。
乳腺腫瘍の検査は、しこりに針を刺して行なうのですが、これは乳腺腫瘍かどうかを判断するだけで、明確に良性か悪性かどうかはわかりません。
良性か悪性かを判断するには、腫瘍摘出後の病理組織診断の結果を待たなければならないのです。
老犬の乳腺腫瘍の予防法
老犬の乳腺腫瘍を予防するには、どうしたらいいのか知っているかい?
うーん、避妊手術をすることが一番なのかな?
そうじゃ、避妊手術は乳腺腫瘍のリスクを大幅に減らすことができるんじゃよ。さらに、定期的な健康チェックも重要じゃ。
乳腺腫瘍の予防法としては以下の点が重要です:
- 避妊手術の実施:早期に避妊手術を行うことで、ホルモンの影響を抑え、腫瘍のリスクを減らします。
- 定期的な健康チェック:獣医師による定期的な健康診断で、早期発見を目指します。
- 毎日の触診:飼い主が毎日愛犬の体を触って、異常を早期に見つけることも大切です。
乳腺腫瘍の治療法
もし乳腺腫瘍が見つかった場合、どんな治療法があるのかな?
手術で腫瘍を取り除くってことかな?
そうじゃ、手術で摘出するのが一般的な治療法なんじゃよ。ただ、腫瘍の大きさや位置、犬の体調によっては他の治療法も考慮する必要があるんじゃ。
乳腺腫瘍の治療法には以下の方法があります:
- 手術:腫瘍の摘出が基本的な治療法です。早期発見であれば完治の可能性が高まります。
- 薬物療法:場合によっては、抗がん剤などの薬物療法を併用することもあります。
- 放射線療法:悪性腫瘍で転移が見られる場合には、放射線療法が用いられることもあります。
乳腺腫瘍の治療後のケア
治療後のケアってどんなことに気をつければいいのかな?
うん、手術後のケアが大事だって聞いたことがあるよ。
そうじゃな、手術後のケアは愛犬の回復を助けるために非常に重要なんじゃ。
乳腺腫瘍の治療後のケア:
- 傷口の管理:手術後の傷口は清潔に保ち、感染を防ぐために定期的に消毒を行いましょう。獣医師の指示に従い、適切なケアを行います。
- 安静と休養:手術後は愛犬が十分に休める環境を整え、無理な運動は避けるようにします。回復のためには安静が必要です。
- 栄養の管理:回復を助けるために栄養価の高い食事を提供し、体力を取り戻すことが大切です。獣医師に相談して適切な食事を選びましょう。
- 定期的な検診:術後も定期的に獣医師の診察を受け、再発の有無をチェックします。早期発見が再発防止の鍵です。
乳腺腫瘍に関するQ&A
最後に、乳腺腫瘍に関するよくある質問をまとめてみようか。
それはいいね!疑問が解消されると安心するもんね。
そうじゃな、飼い主さんたちの不安を少しでも和らげるために、Q&A形式で情報を整理してみると良いじゃろう。
Q: 乳腺腫瘍は必ずしも悪性ですか?
A: いいえ、乳腺腫瘍は良性と悪性の両方があります。約半数が良性ですが、早期に発見し治療することが重要です。
Q: どのように乳腺腫瘍を予防できますか?
A: 避妊手術を行うことが最も効果的な予防法です。早期に手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生リスクを大幅に減らすことができます
。
Q: 乳腺腫瘍が見つかった場合、どのような治療法がありますか?
A: 主な治療法は手術による摘出です。場合によっては薬物療法や放射線療法が併用されることもあります。獣医師と相談して最適な治療法を選びましょう。
Q: 手術後のケアはどのように行えば良いですか?
A: 傷口の管理、安静と休養、適切な栄養の提供、定期的な検診が重要です。獣医師の指示に従い、愛犬の回復をサポートしましょう。
まとめ
高齢犬になるとイボやしこりが増えてきます。特に避妊手術をしていない老犬のメス犬は乳首周辺に腫瘍が発生しやすくなります。
普段から愛犬の身体を触って、新しい塊ができていないかチェックしてみてください。
違和感のある突起物があったら良性のうちに、獣医師に相談して適切な処置を行ってください。
乳腺腫瘍の予防・治療法まとめ表
予防・治療法 | 説明 |
---|---|
避妊手術 | 早期に行うことでホルモンの影響を抑え、腫瘍のリスクを減少 |
定期的な健康チェック | 獣医師による診察で早期発見を目指す |
手術 | 腫瘍の摘出が基本的な治療法 |
薬物療法 | 抗がん剤などを使用して治療をサポート |
放射線療法 | 悪性腫瘍の場合、転移を防ぐために使用 |
栄養管理 | 栄養価の高い食事で免疫力を向上させ、体力を回復させる |
腫瘍は早期発見、早期治療がもっとも重要です。他の臓器に移転する前に元となる腫瘍を取り除きましょう。
愛犬の健康を守るために、日頃からのケアと注意が大切です。飼い主としての責任を持ち、愛犬と長く幸せな時間を過ごしましょう。