犬が体を掻く仕草は、よく目にする光景なので、そこに病気が隠されていると想像する飼い主さんはあまりいないと思います。
首のあたりを掻く仕草は特に可愛らしく、見惚れてしまいますよね。
でも、愛犬が身体を何度もかいていたら、それは、病気が隠されていることもあります。
体をかく仕草は、「痒み行動」と呼ばれています。
しかしその痒み行動は、かゆみ以外の原因でおこなわれることもあるのです。
今回は、犬が体をかく理由と原因、対処方法などについて書いていきたいと思います。
犬が身体を掻く原因・理由
犬が身体を掻く原因には、いくつかの理由がありますよ。
どんな理由が考えられるんですか?
ストレスや皮膚病、アレルギーなんかが主な原因じゃな。
犬が体を掻く原因はいくつか考えられます。
- ストレス
- 皮膚感染症
- 皮膚炎
- アレルギー
- 外部寄生虫
ストレス
ストレスが原因で体を掻くこともあります。
私たち人間も何か困ったり、考え事をしていると、頭をかいたり、目頭を押さえたりしますよね。
人によってそのような仕草は変わりますが、犬も気持ちの変化(ストレス)によって身体を掻く仕草をします。
例えば、引越しで住む部屋の環境の変化、家族の不協和音、うるさい物音などのちょっとした変化で犬もストレスを感じてしまいます。
これらのストレスが原因で、体が痒くも無いのに掻いてしまうのです。
皮膚感染症・皮膚炎・アレルギー
愛犬が何度も同じ場所をかいていたら、一度皮膚を観察してみてください。
皮膚の色が赤く変色していたり、発疹(ブツブツ)などの異常がみられたら、皮膚炎(皮膚感染症)の疑いがあります。
かく頻度が多いのに、皮膚に異常や炎症がみられない場合は、アレルギーによる皮膚炎の可能性があります。
犬のアレルギーは主に食事によるものです。何か愛犬のアレルギーになるものを食べたかチェックしてみてください。
これらの病気による痒みでは、皮膚をたくさん引っかいてしまい傷つけてしまうことがよくあります。
そしてそこから、細菌感染してしまう恐れがありますので、異常に掻いている場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
外部寄生虫
ノミやダニによる寄生虫が原因で掻いていることもあります。
昔、外飼いをしていた犬の首輪の中にノミかダニかわかりませんが、でっかい寄生虫がくっついていました。
よく首のあたりを掻いていたのですが、まったく気づかず、シャンプーをしたときに発見したことがありました。
たぶんかなりの期間、血を吸っていたようで異常なデカさになっていた記憶があります。
寄生虫による痒みは、犬自身にとっても相当辛いと思います。
飼い主さん自身が気付いてあげないと、永遠と血を吸われかねません。
定期的にボディチェックをして愛犬の肌に寄生虫がいないか観察してみてください。
季節による痒みの変動
季節によって犬の痒みが増えることもあります。
えっ、季節で変わるんですか?
春や秋の花粉、冬の乾燥が影響することがあるんじゃ。
季節の変わり目には、犬の痒みが増加することがあります。特に春と秋は注意が必要です。
これらの季節は、植物の花粉やその他のアレルゲンが増えるため、アレルギー反応を引き起こしやすくなります。
また、冬は乾燥することで皮膚が乾燥し、痒みを引き起こすことがあります。
季節性アレルギー
季節性アレルギーは、特定の季節に発症するアレルギーです。
これには花粉、草、カビなどが含まれます。これらのアレルゲンは、犬の皮膚に接触することでアレルギー反応を引き起こし、痒みや発疹を引き起こします。
乾燥による痒み
冬の乾燥した空気は、犬の皮膚を乾燥させ、痒みを引き起こすことがあります。
暖房の使用や外気の乾燥は、皮膚の自然な油分を奪い、乾燥させてしまいます。
これを防ぐために、保湿シャンプーやオイルを使用することが推奨されます。
テーブル: 季節ごとの痒みの原因
季節 | 主な原因 | 対策 |
---|---|---|
春 | 花粉、草のアレルギー | アレルギー対応シャンプー、定期的なブラッシング |
夏 | ダニ、ノミ | 定期的な駆虫薬の使用、清潔な環境の維持 |
秋 | カビ、草のアレルギー | 室内の湿度管理、アレルギー対応シャンプー |
冬 | 乾燥 | 保湿シャンプー、オイルの使用 |
痒みの予防方法
痒みを防ぐためには日常的なケアが大切です。
どんなケアをすればいいんでしょう?
定期的なブラッシングやシャンプーが効果的じゃな。
痒みを防ぐためには、日常的なケアと適切な環境管理が重要です。以下に、痒みの予防方法をいくつか紹介します。
定期的なブラッシング
ブラッシングは、犬の皮膚と被毛の健康を保つために欠かせません。
特に長毛種の犬は、毛玉や汚れが痒みの原因になることがあります。
ブラッシングは、これらの問題を防ぎ、皮膚の血行を良くする効果もあります。
シャンプーと保湿
犬のシャンプーは、皮膚の状態に合わせて選ぶことが重要です。
アレルギー対応のシャンプーや保湿効果のあるシャンプーを使うことで、痒みを軽減することができます。
冬の乾燥する季節には、特に保湿を重視したケアが必要です。
適切な食事管理
食事によるアレルギーが原因で痒みが生じることがあります。
犬のアレルゲンを含まない食事を選ぶことが重要です。
特に新しい食材を与える際は、少量から試し、アレルギー反応が出ないか確認することが推奨されます。
定期的な健康チェック
定期的に獣医師による健康チェックを受けることは、早期に問題を発見し、適切な治療を受けるために重要です。
皮膚の異常や寄生虫のチェックも含めて、総合的な健康管理を行いましょう。
飼い主ができる簡単なケア方法
飼い主が日常的に行えるケアも重要です。
具体的にはどんなことをすればいいんですか?
温湿度の管理や適度な運動が大事じゃ。
飼い主が日常的に行える簡単なケア方法も紹介します。
温湿度の管理
犬が快適に過ごせるように、室内の温湿度を適切に管理しましょう。
特に冬の乾燥した季節や夏の高温多湿の季節には、加湿器やエアコンを使って快適な環境を整えることが大切です。
適度な運動と遊び
ストレスを軽減するためには、適度な運動と遊びが効果的です。犬がエネルギーを発散できるように、毎日の散歩や遊びの時間を確保しましょう。また、頭を使う遊びもストレス解消に役立ちます。
定期的なシャンプーとケア
月に一度程度のシャンプーと、ブラッシングや爪切りなどの日常的なケアを行いましょう。特に痒みがある場合は、獣医師の指導のもと、適切なケアを行うことが重要です。
飼い主が知っておくべき病気と対策
犬の痒みには、いくつかの病気が関係しています。
どんな病気があるんですか?
アトピー性皮膚炎や真菌感染症などがあるんじゃよ。
愛犬が体を掻く原因として、以下のような病気も考えられます。これらの病気について知識を持ち、適切な対策を講じることが大切です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、環境中のアレルゲンに対する過敏反応です。遺伝的要因が強く、特定の犬種で発症しやすい傾向があります。痒みや赤み、湿疹が主な症状です。
対策と治療法
- アレルゲンの特定:アレルゲンテストを行い、環境中のアレルゲンを特定することが重要です。
- 環境管理:アレルゲンの少ない環境を整えるため、定期的な掃除や空気清浄機の使用が有効です。
- 薬物療法:ステロイドや抗ヒスタミン薬、免疫抑制薬などが処方されることがあります。
真菌感染症
真菌感染症は、カビや酵母菌が原因で皮膚に感染を起こす病気です。円形脱毛や赤み、かさぶたが見られることがあります。
対策と治療法
- 抗真菌薬の使用:外用薬や内服薬を使用して、真菌を除去します。
- 環境の清潔化:真菌が広がらないよう、犬が過ごす環境を清潔に保つことが重要です。
膿皮症
膿皮症は、細菌が皮膚に感染することによって起こる病気です。膿を持ったブツブツやかゆみが主な症状です。
対策と治療法
- 抗生物質の使用:細菌を除去するために、抗生物質が処方されます。
- 定期的なシャンプー:抗菌シャンプーを使用して、皮膚を清潔に保ちます。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液に対するアレルギー反応です。激しい痒みとともに、赤みやかさぶたが見られます。
対策と治療法
- ノミ駆除:定期的なノミ駆除薬の使用が必要です。
- 環境の清掃:ノミの卵や幼虫が生息しないように、環境を徹底的に清掃します。
犬の痒みと付き合うための心得
愛犬の痒みを軽減するための心構えも必要です。
どんなことを心がければいいんでしょうか?
観察と記録、獣医師との連携が大事じゃな。
愛犬の痒みを軽減するためには、飼い主としての心構えも大切です。
観察と記録
愛犬の痒みのパターンや症状を観察し、記録しておくことで、獣医師との診察時に役立ちます。日常の様子や痒みが強くなる時間帯、季節の変化などを詳細にメモしておきましょう。
獣医師との連携
痒みが続く場合や症状が悪化する場合は、早めに獣医師に相談しましょう。適切な診断と治療を受けることで、愛犬の苦しみを軽減することができます。獣医師と緊密に連携し、治療計画を立てることが重要です。
まとめ
犬が体を掻く仕草には、さまざまな原因が考えられます。
ストレス、皮膚病、寄生虫などが主な原因であり、適切なケアと環境管理が求められます。
飼い主としては、日常的な観察とケアを怠らず、愛犬の健康を守るために最善の対応を心がけましょう。
季節ごとの痒みの原因や病気に対する知識を持ち、適切な対策を講じることが大切です。
定期的なブラッシングやシャンプー、適切な食事管理、健康チェックを欠かさずに行い、不自然な痒み行動がみられた場合は、原因を見つけて改善してあげましょう。
愛犬の健康と快適な生活を守るために、日常のケアをしっかりと行ってあげてください。