
「えっ、また今日も食べないの?」
ごはんの時間になっても、お皿をチラ見してフンっと顔をそむけるうちの子。
最初は「今日は気分じゃないのかな?」くらいに思っていたのに、次の日も、その次の日も、ほとんど口をつけない。
でもおやつの袋をカサッと鳴らすと、目をキラキラさせて寄ってくるんです。
…もう、どうして?って思いました。
あなたも同じようなことで悩んでいませんか?
うちの子はミニチュアダックスの女の子。とても甘えん坊で、私の後ろをちょこちょこついてくるのが日課です。
でも6歳を過ぎたころから、急に“食”にムラが出てきてしまって…。
「このまま栄養不足になったらどうしよう」
「どこか体が悪いんじゃないか」
そんな不安で、夜にこっそり泣いたこともありました。
だけど、いろいろ調べたり、試したり、そして少しずつ“うちの子の食欲スイッチ”を見つけていくうちに、前よりずっと穏やかな気持ちで過ごせるようになったんです。
今回は、そんな我が家のリアルな体験を交えながら、
「犬が食べたくなる理由」=「食欲スイッチの入れ方」について、わかりやすくお伝えしていきますね。
なぜ、うちの子はごはんを食べないの?
犬がごはんを食べない理由って、実はひとつじゃないんです。
体の不調、環境の変化、ストレス、そして…“ごはんがつまらない”という感情まで。
うちの子が食べなかったときも、最初はすごく不安でした。
「内臓のどこかが悪いんじゃないか」「病院に連れていった方がいいのかな」と、スマホで調べまくっていた日々を思い出します。
でも、じっくり観察してわかったのは、“ごはんに対するモチベーションが下がっている”こと。
つまり、【食べる理由=スイッチ】が入っていなかったんですね。
あなたの愛犬にも、こんなサインは出ていませんか?
サイン | 可能性のある原因 |
---|---|
おやつは食べるのに、ごはんはスルー | 味に飽きた、変化がない、ごはんが“楽しくない” |
ごはんの時間にソワソワしない | 食べることへの期待感が低下 |
食器の前まで来ても、すぐ離れる | 環境に緊張がある、気が散っている |
日中よく寝てばかりいる | 年齢による代謝低下、軽い不調 |
こうしてみると、「もしかして、思い当たる節あるかも…」と感じる方もいるかもしれませんね。
人間でもそうですよね。
「お腹は空いてるけど、何を食べたいか浮かばない」
「昨日も同じ味だったし、今日はちょっと気分が乗らないなあ」
犬だって、食べることに“感情”があるんです。
特に、シニア期に差しかかるころ(5〜6歳以降)は、体のエネルギーの使い方も変わってきて、若い頃より食への興味が薄れることもあります。
でも、それが必ずしも「病気」というわけではなく、「食欲スイッチ」がうまく入っていないだけ…というケース、すごく多いんですよ。
もちろん、急激に体重が落ちたり、ぐったりしているときは、すぐに病院へ。
でも、元気はあっておやつも食べる子なら、「スイッチ」の見直しで変われる可能性があるんです。
「食べない子」が変わった!わが家のスイッチ発見ストーリー
うちのミニチュアダックス(名前はリリィ)は、小さい頃からよく食べる子でした。
でも6歳を過ぎたあたりから、食べることに“気分のムラ”が出てきて…。
朝ごはんを出しても、フンっと鼻で押しのけて寝床へ戻る。
そのくせ、おやつの袋の音には飛び起きる。
そんなリリィにどうしてあげたらいいか、悩みに悩んだ結果、私は【試して、観察する】を繰り返してみたんです。
スイッチのヒント①:ごはんの「出し方」を変えてみる
うちのリリィは、毎日同じ時間に同じ場所でごはんを出されるのが“当たり前”になっていたせいか、だんだんワクワク感がなくなっていたみたいです。
そこで、まず試したのがこちらの3ステップ。
ステップ | 内容 |
---|---|
Step1 | ごはんの前に一言「おいしいの用意したよ〜」と声をかけてみる |
Step2 | 食器をいつもの場所ではなく、あえて別の落ち着いた場所に置いてみる |
Step3 | あえて“目の前で盛りつける”演出をしてみる(少しだけ加熱して香りアップも) |
たったこれだけで、リリィの興味がちょっとずつ戻ってきたんです。
「今日はなんか違う?」とクンクン近づいてきて、チラッと私の顔を見るようになりました。
「いつもと違うね〜、楽しみだね〜」と話しかけながら出すと、それだけでごはんが“イベント”になったみたいです。
スイッチのヒント②:「ごはん=楽しいこと」にする演出
実は、リリィが一番反応したのが、“褒めながら一緒にごはんタイムを過ごすこと”でした。
いつもより少し早く起きて、ごはんの時間を“会話の時間”にしたんです。
「わぁ〜、今日もおいしそうだね!」
「すごいすごい、ちゃんと食べてえらいね〜!」
大げさなくらい褒めてみたら、うれしそうにしっぽを振ってパクパク。
人が見ていてくれるのが嬉しいんですね。
スイッチのヒント③:トッピングや温度で“香り”に刺激を
犬って、味よりもまず「香り」で食欲が左右されるって知っていますか?
だから、リリィにはこんな工夫をしました。
- 食事の一部を少しだけレンジで温めて香りを立たせる(熱すぎはNG)
- 香りの強い野菜(例:かぼちゃ・にんじん)を少量だけトッピング
- ドライフードに少しお湯をかけてふやかし、香りを引き出す
こうすることで、クンクンと鼻を使ってごはんをチェック→そのままパクッ!が増えました。
もし同じ方法を試すとしたら、最初は「香り×声かけ」の組み合わせから始めてみてくださいね。
「ごはんって、楽しいんだ」って、愛犬が思い出してくれるかもしれません。
「何を食べるか」で、こんなに変わるんだと気づいた日
リリィが食べムラを起こすようになったとき、私が最初に見直したのは「食べ方」でした。
でも、そこからさらに踏み込んでみて気づいたんです。
「食べる理由」と同じくらい、「食べる内容」も大切なんだなって。
人間と同じで、犬も食べたもので体がつくられています。
栄養バランスが崩れたり、消化に負担がかかる食事を続けていると、なんとなく元気が出なかったり、お腹の調子が悪くなって、自然と“食べたくない”気分になってしまうこともあるんです。
我が家で変えた「3つのポイント」
うちでは、次の3つを意識してみました。
工夫したこと | 理由 | 実感した変化 |
---|---|---|
フードの原材料を見直す | 消化にやさしい食材を意識 | うんちが安定し、お腹の張りが減った |
トッピングに旬の野菜を活用 | 季節の香りで食いつきUP | 食いつきが良くなり、楽しそうに食べるように |
1日のカロリー配分を見直す | 朝に軽め、夜にしっかり | 朝はペロリ、夜も完食のリズムが定着 |
食材はなるべくシンプルに、余計な添加物が少ないものを選ぶようにしました。
また、かぼちゃや小松菜、さつまいもなど、やさしい甘みのある野菜を少しだけトッピングすることで、リリィの“食べたい!”がぐっと高まったように思います。
そしてもうひとつ大切にしたのが「朝と夜のバランス」。
リリィは朝があまり得意じゃない子だったので、朝ごはんは軽めにして、夜にしっかりめのごはんを出すようにしたら、無理なく完食できるようになりました。
やっぱり、食べるもので体って変わりますよね。
調子がいいときのリリィは、表情もいきいきしてて、目の輝きが違うんです。
あなたの愛犬の最近の食事、見直してみたいなと思うこと、ありますか?
もしちょっとでも「気になるな」と思ったら、できる範囲で少しずつで大丈夫。
ほんの小さな工夫で、毎日のごはんが“楽しみ”に変わることもありますよ。
「食べない日」があっても大丈夫。あなたの愛で変われます
犬がごはんを食べてくれないとき、飼い主としては本当に心配になりますよね。
「ちゃんと栄養がとれてるのかな」
「何か病気のサインなんじゃないか」
そんな不安に、押しつぶされそうになる気持ち…私もよくわかります。
でも、今日ご紹介したように、犬には“食欲スイッチ”という心の鍵があって、
それがちょっとした工夫でカチッと入ることがあるんです。
● ごはんの「出し方」を変えてみる
● 声かけや一緒に食べる時間をつくってみる
● 香りや温度の工夫で食いつきをアップさせる
● 食材や時間帯のバランスを見直してみる
どれもすぐにできる、小さなことばかりです。
だけど、その積み重ねがきっと愛犬にとって、「ごはんって楽しいな」「食べるって嬉しいな」って気持ちに変えてくれるはずです。
焦らず、できることから少しずつ、始めてみてくださいね。
あなたの愛情は、必ず伝わります。
そして、たとえ今日は食べなかったとしても、明日はまた違う日です。
愛犬とあなたにしかないリズムで、一歩ずつ歩んでいきましょう。
私もずっと応援しています。
👉 「なお、すべての犬に共通するわけではありません。個体差がありますので、様子を見ながら無理のない範囲で試してくださいね。」