犬はガンにかかりやすい動物といわれています。特に高齢犬が一番なりやすい病気の一つとして「がん」が挙げられます。
これは近年、犬の医療の発達や身体に良い食べ物がたくさん開発され、長生きできるようになった結果、犬の高齢化が進み、7歳以上の犬の約50%以上がガンであると報告されています。
しかし、犬にとって便利な世の中になる以前は、それほど病気やガンにかかってはいなかったようです。
ドッグフードが開発される(1960年頃)までは、今ほどガンにはならなかったと言われています。
それは、犬の食生活が人間の残りの食べ物や残飯を食べていたからです。
ドッグフードが登場した頃は、健康を考えた食材や成分などよりも、食いつきの良さやお手軽さを重視していたと考えられます。
添加物や保存料など、身体に良くないものもたくさん入っていたと思います。
その影響が何代にもわたって身体を蝕んでしまい、アレルギーやガンになりやすくなったといいます。
最近は、犬の健康を考えた高品質なドッグフードも販売されるようになりましたが、その影響で高齢化も進み、ガンや他の病気にもかかりやすくなりました。
ガンにかかる原因や症状はさまざまな理由があります。
そこで今回は、ガンになる原因と症状、予防や治療の仕方についてお伝えしていきます。
ガンの原因
ガンの原因は様々ですが、特に老化が大きな要因です。細胞が老化すると遺伝子が傷つきやすくなります。
遺伝も関係あるんですね。質の悪いドッグフードを食べ続けた結果、体質が悪くなるなんて、びっくりです!
うむ、昔はこんなにガンにならなかったのじゃ。今の食生活が原因かもしれんのう。
犬がガンになる原因は、人間と似たようなことが多いです。
老化
ガンは、細胞の遺伝子が何らかの理由で傷つき、異常な増殖を繰り返し、正常な細胞を巻き込んで増殖異常を起こした状態です。
細胞は老化によって劣化していきますので、高齢による老化現象が原因となります。
遺伝
冒頭にも書きましたが、質の悪いドッグフード(添加物や着色料など)を食べ続けた結果、身体の免疫力の低下やアレルギー体質になってしまいます。
何代もの遺伝によってガンになりやすくなる体質になるケースもあります。
化学物質
タバコの煙や排ガス、汚染された大気や水など、長い期間にわたり影響されるとガンになりやすくなります。
ウイルス
ウイルスの感染によってガンになることもあります。特に老犬は免疫力の低下からウイルスにかかりやすく、ガンの可能性も上がってしまいます。
白血病や悪性リンパ腫の原因がウイルスであることが判明しています。
ホルモン
精巣腫瘍や乳腺腫瘍といった性ホルモンの影響でガンに侵されます。
食餌
肉食中心や炭水化物など偏った食生活はガンのリスクを増します。
また、発がん性のある食品もあります。
運動不足
老犬は特に運動や散歩不足だと身体の衰えが早くなり、肥満になりやすく、それが原因でガンにもなります。
紫外線・放射線
長い間浴び続けると皮膚がんになる可能性が高くなります。
ストレス
ストレス状態が続くと、がん細胞の増殖を抑えるナチュラルキラー細胞の活動力が低下し、ガンになりやすくなります。
ガンの症状・種類
ガンの症状としては、腫瘍(しこり)が最も一般的です。他にも元気がなくなる、食欲不振などが見られます。
体臭が酷くなったり、呼吸が苦しそうになることもあるんですね。気を付けなきゃ!
ふむ、毛並みが悪くなったり、出血が見られるのも要注意じゃな。何か変だと思ったらすぐに病院じゃ。
犬の身体に腫瘍が発見されることでガンは見つかりますが、他にもガン特有の症状があります。
ガンの症状 | 説明 |
---|---|
腫瘍(しこり) | 身体にしこりが見つかる |
元気や活動量が減る | 犬が以前ほど活発でなくなる |
食欲不振 | 食事の量が減る |
散歩をしたがらない | 動くことを嫌がる |
呼吸が苦しそう | 呼吸が荒くなる |
体臭が酷い | 異常に強い体臭がする |
下痢や便秘が続く | 消化不良が続く |
毛ヅラが悪くなる | 毛並みが悪くなる |
舌や歯ぐきの色が白っぽい | 貧血の症状が出る |
口や鼻、乳頭、肛門から血が出る | 出血が見られる |
このような症状が見られたらガンでなくても他の病気の可能性もありますので、一度獣医師に相談してください。
口腔腫瘍
口の中にできる腫瘍(ガン)です。歯茎や舌、ノドなどの粘膜に腫瘍がみられます。強い口臭やヨダレをたくさん出します。また、腫瘍が影響して物が食べづらくなり、出血してしまうこともあります。
肛門周囲腺腫
肛門付近に化膿や出血、悪臭が発生します。また小さいイボ状の塊ができ、悪化すると大きくなってしまいます。去勢していないオスに多くみられます。また、高齢犬の場合は睾丸が腫れることもあります。おしりを気遣ったり、地面にこすりつける動作をします。
皮脂腺腫
皮脂が分泌される皮脂腺に発生するガン。周囲の毛が抜け落ちます。
腹腔腫瘍
腎臓や肝臓、卵巣や膀胱などお腹周辺に発生するガンです。腹部が膨らむことが多く、触ると固いしこりが感じられることがあります。また、食欲不振や体重減少も見られます。
胃がん
嘔吐が頻繁に見られ、吐血や粘度の高い粘液を吐くことがあります。黒っぽい便が見られるのも特徴です。これらの症状が続く場合は、早急に獣医師に相談しましょう。
直腸がん
肛門のすぐ近くにある直腸に発生した腫瘍(ガン)。赤い便が見られることがあります。また、排便時に痛みを感じるため、排便を避けるようになることもあります。
肝臓がん
食欲不振が起きたり、腹部の膨張が見られることが特徴です。黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)が現れることもあります。
膀胱がん
排尿障害や血尿が見られます。頻尿や痛みを伴う排尿も特徴です。これらの症状が見られた場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。
精巣腫瘍
精巣にできる腫瘍(ガン)。去勢していないオス犬に多く見られます。精巣が異常に腫れることが特徴です。
乳腺腫瘍
避妊していないメスに多い腫瘍(ガン)。乳腺にしこりができることが特徴です。早期発見と早期治療が重要です。
子宮がん
茶色っぽいおりものが出ることもあります。腹部が膨張して、吐き気をもよおすこともあります。避妊手術を行うことで予防できます。
骨腫瘍
骨に発生するガンです。骨腫瘍は若い頃(2歳)でもみられます。骨が弱くなり、骨折しやすくなることが特徴です。
ガンの予防・治療
ガンの予防には、抗酸化力の高いビタミンA、C、Eが含まれる食事が効果的です。高タンパク質も大事ですよ。
核酸も大事なんですね。サプリメントで補うのが一番効果的なんですね!
メシマコブや乳酸菌も良いんじゃ。昔からある知恵も役に立つのう。
基本的にガンは、早期発見し、早期治療が最も大切です。
そのためには、普段から愛犬の身体を触ってしこりがないかどうかチェックし、異常がないか確かめてください。
また、上記に挙げたようなガンの症状が見られたら、すぐに獣医師に相談して検査をすることが大切です。
ガン予防のための食事
ガンは、環境的要因や遺伝的要因、老化や食事などで発生します。
特に老犬には、食事でのガン予防が大切です。
抗酸化力が高いビタミンA、C、Eを含む免疫力の高い食べ物や、身体を構成するのに必要な高タンパク質の栄養素は、ガン予防になります。
また、核酸はガン予防にも優れています。
栄養素 | 効果 | 食材例 |
---|---|---|
ビタミンA | 抗酸化作用、免疫力向上 | レバー、ニンジン、卵黄 |
ビタミンC | 抗酸化作用、免疫力向上 | ピーマン、ブロッコリー、イチゴ |
ビタミンE | 抗酸化作用、細胞保護 | アーモンド、ヒマワリの種、サーモン |
高タンパク質 | 筋肉維持、免疫力向上 | 鶏肉、牛肉、豆類 |
核酸 | DNA修復、新陳代謝向上 | サケ、マグロ、イワシ |
ガンは遺伝子異常によって発生します。
遺伝子そのものである核酸をたくさん摂らせることにより、新陳代謝が向上し、ガンを予防することができます。
核酸はDNAの修復に必要なものですが、老化とともに体内で合成される量は減っていきます。
そのため、サプリメントで補ってあげることが一番効果的です。
メシマコブ
日本原産の薬用キノコで、免疫力アップと優秀な抗がん作用が期待できます。ガン予防の他にも、再発や転移を防止します。希少性が高いキノコですが、サプリメントで摂取することができます。
乳酸菌
腸内環境を整えてくれます。発がん物質の無効化が期待できます。
ガンの治療には、エネルギーをたくさん摂らせてあげて、痩せさせないことが大切です。食事でのエネルギー摂取は、高カロリーの脂肪分(炭水化物)で補えます。
定期的な健康チェックと生活習慣
毎日の身体チェックと定期的な健康診断が重要です。早期発見がガン予防の鍵です。
バランスの取れた食事と適度な運動、ストレス管理も大切なんですね。
うむ、毎日のケアが愛犬の健康を守るんじゃ。ストレスを減らしてあげるのも大事じゃな。
ガンの早期発見には、定期的な健康チェックが不可欠です。以下のポイントを日常的に確認することで、愛犬の健康を維持しましょう。
- 毎日の身体チェック: しこりや異常がないか、触って確認しましょう。
- 定期的な健康診断: 年に一度は獣医師による健康診断を受けさせましょう。
- バランスの取れた食事: 栄養バランスを考えた食事を与えましょう。
- 適度な運動: 散歩や遊びを通じて、適度な運動をさせましょう。
- ストレス管理: 愛犬にとって快適な環境を提供し、ストレスを軽減しましょう。
これらの習慣を取り入れることで、愛犬の健康を守り、ガンの予防につなげることができます。
ガンの治療法
愛犬がガンと診断された場合、以下の治療法が一般的に行われます。
治療法の選択は、ガンの種類や進行度、愛犬の健康状態によって異なります。
手術
腫瘍が切除可能な場合、手術が最も一般的な治療法です。
腫瘍を取り除くことで、ガンの進行を防ぎ、愛犬の生活の質を改善することができます。
放射線治療
放射線治療は、腫瘍細胞を破壊するために高エネルギーの放射線を使用します。
特に手術が難しい部位に発生したガンに対して効果的です。
治療期間中は定期的に動物病院に通う必要があります。
化学療法
化学療法は、ガン細胞を殺すために抗がん剤を使用する治療法です。
内服薬や注射薬として使用されます。
副作用が出ることもありますが、ガンの進行を抑えるために有効です。
免疫療法
免疫療法は、愛犬の免疫システムを強化し、ガン細胞を攻撃する治療法です。
特定の免疫細胞を活性化させることで、ガンの進行を抑えます。
副作用が少なく、長期的な治療に適しています。
緩和ケア
ガンの治療が困難な場合や、愛犬のQOL(生活の質)を重視する場合は、緩和ケアが行われます。
痛みや不快感を和らげるための治療や、栄養管理、生活環境の改善を通じて、愛犬が快適に過ごせるようにサポートします。
ガン治療の注意点
ガンの治療を進める際には、以下のポイントに注意してください。
- 獣医師との連携: 獣医師と密に連携し、愛犬の状態や治療方針についてしっかりと話し合いましょう。
- 定期的な検診: 治療中も定期的に検診を受け、治療の効果や愛犬の健康状態をチェックしましょう。
- 副作用の管理: 化学療法や放射線治療の副作用に注意し、必要な対策を講じましょう。
- 栄養管理: 愛犬の栄養状態を良好に保つことが、治療の効果を高めるために重要です。
- 生活環境の改善: ストレスを減らし、快適な生活環境を提供することで、治療効果を高めることができます。
ガン治療における飼い主の役割
飼い主として、愛犬の治療計画を理解し、適切なケアを行うことが大切です。
治療中も愛犬に愛情を注いで、安心させてあげることが大事なんですね。
ふむ、愛犬の生活の質を向上させる工夫が必要じゃな。少しでも快適に過ごさせてあげるんじゃ。
愛犬がガンと診断された場合、飼い主としてできることは多くあります。以下の点を心がけて、愛犬の治療をサポートしましょう。
- 愛犬への愛情とサポート: 愛犬にとって飼い主の愛情とサポートは非常に大切です。毎日のケアや声かけを通じて、愛犬に安心感を与えましょう。
- 治療計画の理解: 獣医師と一緒に治療計画を理解し、適切なケアを行いましょう。治療の進行や効果を把握することで、適切な対応が可能になります。
- 生活の質を向上させる工夫: 愛犬の生活の質を向上させるために、快適な生活環境を整えましょう。例えば、寝床の柔らかさを工夫したり、好きな食べ物を用意したりすることが挙げられます。
- 定期的なチェックイン: 獣医師との定期的なチェックインを怠らず、愛犬の状態を把握しましょう。治療の進行や副作用の管理に役立ちます。
愛犬がガンと戦う際に、飼い主のサポートは非常に重要です。
愛犬の健康と幸せを第一に考え、適切なケアを提供しましょう。
まとめ
ガンは高齢犬にとって避けられないリスクの一つですが、早期発見と適切な治療、そして愛情を持ったケアによって、愛犬の生活の質を向上させることができます。
ガンの症状には特徴的なものが多く、飼い主が日常的に注意を払うことで早期発見が可能です。
特に7歳以上の犬ではガンの発生率が高くなるため、普段から愛犬の様子を気にかけ、異常がないかどうかチェックすることが大切です。
ポイント | 説明 |
---|---|
定期的な健康チェック | 毎日の身体チェックや定期的な健康診断を受ける |
バランスの取れた食事 | 栄養バランスを考えた食事を提供する |
適度な運動 | 散歩や遊びを通じて、適度な運動をさせる |
ストレス管理 | 快適な生活環境を提供し、ストレスを軽減する |
獣医師との連携 | 獣医師と密に連携し、治療方針を理解する |
愛情とサポート | 愛犬に安心感を与えるためのケアと声かけ |
愛犬がガンと診断された場合でも、慌てずに獣医師と連携し、最適な治療法を見つけることで、愛犬の生活の質を維持することができます。
定期的な健康チェック、バランスの取れた食事、適度な運動、そしてストレス管理を心がけ、愛犬が健康で幸せな生活を送れるようサポートしましょう。
愛犬と共に過ごす毎日を大切にし、少しでも長く元気で過ごせるように心から願っています。