毎日散歩や運動を欠かさず行っているし、食事もしっかりと管理している。
それなのに、何故か愛犬のお腹が膨らんでいるような?
しかも片方や一部だけ違和感のある膨らみ方をしている!何か病気なのかな!?
肥満であれば満遍なく太っているはず。
絶対おかしい!愛犬の体の一部が膨らんでいると不安になりますよね。
実は、このような症状はホルモン異常で起こる肥満の1つなのです。
具体的には内因性肥満と言います。
内因性肥満は、身体の一部分だけがぽっこり膨らんだり、左右のどちらかの部分が大きくなることもある肥満です。
別名、ホルモン性肥満ともいいます。
実は人間でも35~40歳以降になると内因性肥満(ホルモン性肥満)はよくあります。
では何故、内因性肥満は起こるのでしょうか。
今回は、愛犬のお腹の膨らみが変な状態になる内因性肥満(ホルモン性肥満)についてお伝えしていきます。
ホルモン異常の内因性肥満
これはホルモンの異常で起こる内因性肥満のことなんですよ。
えっ、普通の肥満とは違うんですね。
ほほう、片方だけ膨らむのもそのせいじゃな、なるほど。
内因性肥満と普通の肥満の違いは、太り方にあります。
普通の肥満の原因は、食事の取りすぎや運動不足などが原因です。
太り方は体全体(首や背中、お腹やお尻など)が全体的に膨らみます。
内因性肥満の原因は、内分泌(ホルモン)の異常によって引き起こされる肥満です。
内分泌(ホルモン)の異常には、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症などの症状があります。
このような内分泌(ホルモン)の異常による内因性肥満は、病気の原因となる臓器が大きくなってしまいます。
そのため、お腹の片方だけや、体の一部が膨らんだり、張ってしまうのです。
副腎皮質機能亢進症と甲状腺機能低下症は、主に高齢・老犬によく見られる病気です。
副腎皮質機能亢進症
クッシング症候群とも呼ばれる副腎皮質機能亢進症は要注意です。
副腎が原因なんですね、知らなかったです。
クッシング症候群か、犬種によってもリスクが違うのぅ。
副腎皮質機能亢進症は別名クッシング症候群とも呼ばれます。
副腎は、犬の腰の辺りにある左右の腎臓付近にある、副腎皮質ホルモンを分泌する内分泌(ホルモン)器官です。
この副腎皮質ホルモンは、糖質や脂質、タンパク質などの代謝の働きを制御する働きがあります。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)は、副腎皮質ホルモンの異常により、臓器にさまざまな症状が現れます。
食欲増加や足腰が弱くなる、お腹がポッコリ膨らむなどの症状があります。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)を放置してしまうと、心臓や肝臓、関節などに病気が進行していき、危険な状態となります。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)にかかりやすい犬種
犬種 |
---|
ミニチュア・ダックスフント |
シー・ズー |
ヨークシャー・テリア |
ポメラニアン |
ビーグル |
トイ・プードル |
ジャック・ラッセル・テリア |
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症も内因性肥満の一因です。
肝臓が腫れることもあるんですね、怖いです。
甲状腺の問題も見逃せんのぅ。
犬の甲状腺機能低下症の場合、体の中の糖質が上手く利用されずに脂肪が肝臓に蓄積してしまうことがあります。
肝臓に脂肪が蓄積してしまうと、脂肪肝になってしまいます。
すると肝細胞に脂肪が大量に蓄積され、肝臓が大きくなってしまいます。
お腹の肝臓部分だけが膨張することで体の一部の膨らみや張りがみられるのです。
基本的に脂肪肝になってしまう要因は、栄養の取りすぎによる脂肪の蓄積、そして運動不足でも起こります。
ですので、普通の肥満+肝臓が腫れてしまう状態にもなります。
甲状腺機能低下症にかかりやすい犬種
犬種 |
---|
ミニチュア・ダックスフント |
レトリバー種 |
ポメラニアン |
ミニチュア・シュナウザー |
トイ・プードル |
シェットランド・シープドッグ |
コッカー・スパニエル |
内分泌(ホルモン)疾患である副腎皮質機能亢進症と甲状腺機能低下症は、体の全体、もしくは体の一部が太って見えることが一番の特徴です。
副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症ともに、お薬で治療することが可能です。
内分泌(ホルモン)疾患の治療方法
これらの疾患はお薬で治療できます。
早期発見が大事なんですね。
しっかりと治療せんとな、愛犬のためじゃ。
内分泌(ホルモン)疾患の治療は、主にお薬で行われます。
早期発見と適切な治療が必要です。以下は一般的な治療法です。
副腎皮質機能亢進症の治療
治療法 | 説明 |
---|---|
内科的治療 | 副腎皮質ホルモンの分泌を抑制する薬剤を使用します。副作用に注意が必要です。 |
外科的治療 | 副腎の腫瘍を摘出する手術を行います。手術後の経過観察が必要です。 |
定期的な検査とフォローアップ | 血液検査や画像診断を定期的に行い、病状の進行を確認し、治療効果を評価します。 |
甲状腺機能低下症の治療
治療法 | 説明 |
---|---|
ホルモン補充療法 | 甲状腺ホルモンを補充する薬剤を使用します。投薬量の調整が重要です。 |
食事療法 | 特定の栄養素を制限した食事を与えることで、症状の改善を図ります。 |
定期的な検査とフォローアップ | 血液検査や甲状腺機能の評価を定期的に行い、病状の進行を確認し、治療効果を評価します。 |
高齢犬の肥満と健康管理
高齢犬の肥満管理は特に重要です。
食事と運動のバランスが大切なんですね。
そうじゃ、無理せずにケアしてやることが大事じゃな。
高齢犬になると、肥満は特に注意すべき健康問題となります。
肥満は様々な病気のリスクを高めるため、早期の予防と対策が重要です。
ここでは、高齢犬の肥満管理と健康維持のためのポイントを詳しく見ていきます。
高齢犬の肥満予防と管理方法
高齢犬の肥満を予防・管理するためには、食事と運動のバランスが重要です。以下のポイントを押さえておきましょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
適切な食事管理 | カロリーコントロールとバランスの取れた栄養を提供することが大切です。 |
定期的な運動 | 無理のない範囲での散歩や軽い運動を日常的に取り入れることが重要です。 |
定期的な健康チェック | 獣医師による定期的な健康診断で早期に問題を発見し、対処することができます。 |
ストレス管理 | ストレスが肥満の原因となることもあります。リラックスできる環境を整えることが大切です。 |
食事の見直し | 老犬用の特別なフードや、低カロリーのフードを検討することも効果的です。 |
運動の工夫
高齢犬の運動は、若い犬と同じようにはいきません。
体力や関節の状態を考慮し、無理のない範囲で運動をさせることが大切です。
おすすめの運動方法:
- 短い散歩を複数回: 一度に長時間の散歩をするよりも、短い散歩を1日に数回行うことで、犬の負担を減らしながら運動量を確保できます。
- 室内での軽い遊び: ボール遊びや引っ張り合いなど、室内でできる軽い運動も取り入れましょう。
- 水中運動: プールでの水中ウォーキングは、関節に負担をかけずに効果的な運動ができます。
高齢犬の食事管理
食事の内容も、高齢犬の肥満管理において重要なポイントです。
高齢犬には特別な栄養バランスが必要です。
高齢犬の食事のポイント:
- 低カロリー高タンパク: カロリーを抑えつつ、筋肉量を維持するために高タンパクの食事を選びましょう。
- 繊維質の多い食事: 消化を助けるために繊維質の多いフードを選ぶことが効果的です。
- 適切なサプリメント: グルコサミンやオメガ-3脂肪酸など、関節や全体の健康をサポートするサプリメントを検討しましょう。
高齢犬の健康維持のためのチェックリスト
体重測定や定期健診が重要です。
毎日チェックしようと思います!
しっかりとケアしてやることが愛犬への愛情じゃな。
高齢犬の健康を維持するためには、日々のケアが欠かせません。以下のチェックリストを参考にして、愛犬の健康状態をチェックしてみてください。
チェックポイント | 内容 |
---|---|
体重測定 | 定期的に体重を測定し、増減をチェックしましょう。 |
食事の管理 | 食事の量や内容を見直し、適切なバランスを保つようにしましょう。 |
定期的な運動 | 無理のない範囲での定期的な運動を行いましょう。 |
獣医師の定期健診 | 定期的に獣医師の健康診断を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。 |
ストレス管理 | ストレスを避けるために、リラックスできる環境を整えましょう。 |
老犬のための生活環境の工夫
柔らかい寝床と滑りにくい床がポイントです。
環境整備も大切なんですね。
老犬のために快適な環境を整えてやることが大事じゃ。
老犬は若い頃とは異なるニーズを持つようになります。以下の点を考慮して、老犬にとって快適な生活環境を整えましょう。
生活環境の工夫 | 内容 |
---|---|
寝床の整備 | 柔らかく、関節に優しいベッドを用意しましょう。 |
滑りにくい床 | 滑りやすい床は関節に負担をかけるため、滑りにくいマットを敷くなどの対策をしましょう。 |
安心できるスペース | 自分だけの安心できるスペースを確保してあげましょう。 |
適温の保持 | 過度な温度変化を避け、快適な温度を保つよう心がけましょう。 |
適切なケア用品 | 高齢犬に適したケア用品(ブラシやシャンプーなど)を使用しましょう。 |
まとめ
高齢・老犬になると運動不足や新陳代謝の衰えから肥満になりやすく、太って見えるようになります。
体の一部の臓器の膨張による張りの副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症も高齢・老犬に多い病気です。
これらの内分泌(ホルモン)の異常による内因性肥満は、食事に気を使ったり、散歩や運動などをおこなっても、お腹の膨らみは消えません。
内分泌(ホルモン)の疾患なので、臓器に発生している病気を取り除かなければならないのです。
その為には、お薬での治療が必要です。
しかし、病状が悪化すると他の臓器に影響することもあり、投薬以外の治療が必要になることもあります。
愛犬のお腹の片方や一部だけ膨らんでいたり張っていたら、動物病院や獣医師に相談して、早めに対処してあげてください。