愛犬が室内での排泄時や散歩中で、うんちを出さないと心配になりますよね。
その日だけウンチが出ないのであれば特に気にしないでいいと思います。
しかし、数日便秘が続いたり、うんちを出そうとしているのに出ない場合は、病気や精神的な異常の可能性があります。
また、高齢犬の場合は、腸や肛門の衰えからくる便秘もあります。
犬のウンチが出ない原因は、人間の便秘と似たような症状である場合が多いです。
そこで今回は、犬の便秘・うんちが出ない原因と解消法についてお伝えしていきたいと思います。
便秘・ウンチが出ない原因・理由
便秘の原因っていろいろあるけど、まずは病気が関係している場合を見てみようか。
犬の便秘って病気が関係してることもあるんですね…知らなかったです。
そうじゃな、老犬の場合は特に注意が必要じゃのう。
犬のウンチが出ない原因は主に、病気や精神的な問題、食事が関係しています。1つ1つ見ていきましょう。
病気が関係している場合
オスとメスで、便が出ない原因の病気は違います。
病気の種類 | オスの場合 | メスの場合 |
---|---|---|
尿路結石症 | ● | ● |
前立腺肥大 | ● | – |
前立腺腫瘍 | ● | – |
前立腺炎 | ● | – |
肛門のう炎 | ● | ● |
子宮蓄膿症 | – | ● |
性器の腫瘍 | – | ● |
雄と雌の両方とも尿の病気が原因で便秘になります。泌尿器系はお腹や腸に近い場所にあるため、お腹や腸が圧迫され、便が出づらくなってしまうからです。
オスの場合、前立腺は直腸のすぐそばに接触しています。
前立腺が肥大したり、腫瘍などがみられると便をせき止めてしまうのです。
メスの場合も、子宮や膣に腫瘍がみられると直腸を刺激・圧迫してしまい、便が出ない・出しづらくなります。
炎症系の病気は、直腸の近くでできていると発熱も伴います。
すぐに獣医師に相談してください。
糖尿病が原因の場合
糖尿病になると便秘や下痢になることがあるんだ。これは神経障害が原因なんだよ。
糖尿病が便秘の原因になるなんて驚きです!
うむ、感覚神経の障害で排泄が難しくなるんじゃな。
糖尿病になると高血糖により、神経障害をおこすことがあります。
すると毒素により自律神経が乱れ、下痢や便秘になります。
また、感覚神経障害により、便を出す感覚がマヒして排泄障害になってしまいます。
老化が原因で便が出ない
高齢・老犬の場合は、肛門周辺の筋肉の収縮力の衰えによってウンチを出す力が低下してしまい、便秘になってしまいます。
また、脊髄神経にトラブルがあると腸管がたるんでしまい、ウンチが出づらくなってしまいます。
食事・水分不足
食事をきちんと摂っていなければ便が出ないのは当たり前ですよね。
老犬になると食細りをするワンちゃんもいます。
食べた量にウンチの量は比例しますので便が出ない、もしくは少ないのであれば、食べている量が少ないのかもしれません。
また、水分をしっかりと摂取していないと、ウンチが硬くなってしまい、便秘になりやすくなります。
ドッグフードを変えたり、違う食べ物を与えると、消化に異変が起きたり、気持ちの変化によって便秘が引き起こされることがあります。
異物が体内に入ってしまった場合
玩具や何か異物を飲み込んでしまうと腸の通過障害を引き起こすことがあります。
うんちが出なくて吐き気の症状がみられたら腸閉塞の恐れがあります。すぐに病院へ連れていきましょう。
運動不足
老犬になると行動力の低下から散歩や運動が減り、消化管の活動力が落ちて排便を妨げることもあります。
便秘の改善・解消方法
まずは原因を見つけることが重要だね。食事や水分を見直してみようか。
食事や水分で解消できるんですね、安心しました。
ふむ、食物繊維の多い食事も効果的じゃの。
病気が原因の場合は、獣医師に相談しましょう。
それ以外のことが原因で便秘になる場合はいくつかの対処法があります。
食事や水分不足が原因の場合
うんちがなかなか出ないワンちゃんには食物繊維をたくさん摂らせてあげましょう。
食物繊維は消化されることなく、腸の中で水気を吸収して膨らんでいきます。
体積膨張によって便の量が増して、腸を刺激して、便を出したくなるのです。
食物繊維がたくさん含まれたお勧めの食べ物:
- キャベツ
- ブロッコリー
- カボチャ
- コンニャク
- サツマイモ
- ニンジン
- リンゴ
これらの野菜や果物を普段食べているフードに混ぜてあげましょう。
水分不足はうんちを硬くして出づらくしてしまいます。
食物繊維をたくさん摂らせてあげて、大量の水を飲ませるとさらに便秘の解消に効果的です。
老犬の場合は、消化器系(胃腸)の衰えからも便秘が引き起こされます。
ストレスが原因の場合
犬もストレスを感じると、気分の変化により自律神経が乱れ、腸の動きがおかしくなり便秘になります。
引越しや部屋の模様替え、飼い主さんの機嫌が悪かったりすると犬自身のストレスになります。
犬がストレスを感じない環境を整えてあげましょう。
運動不足の解消法
老犬でも適度な運動はとても大切です。
日々の散歩を欠かさず行い、家の中でも遊びを通して体を動かす機会を作ってあげましょう。
これにより、腸の活動が促進され、便秘の解消に繋がります。
老犬の便秘解消のための追加アドバイス
お腹のマッサージやプロバイオティクスの導入も効果的だよ。
マッサージもプロバイオティクスも試してみます!
ふむ、環境の見直しも重要じゃな。
便秘解消のための基本的な方法を学んだところで、さらに詳しいアドバイスをいくつか紹介します。
便秘解消に役立つマッサージ
便秘の犬に対して、お腹のマッサージが効果的です。
軽く手のひらでお腹を時計回りにマッサージしてあげることで、腸の動きを促進し、便が出やすくなります。
プロバイオティクスの導入
プロバイオティクスは、腸内環境を整えるために非常に有効です。
市販の犬用のプロバイオティクスを食事に追加することで、腸内の善玉菌を増やし、便秘の予防・改善が期待できます。
環境の見直し
犬が便秘になりやすい環境を整えてあげることも大切です。
例えば、静かな場所での食事や規則正しい生活を心がけることがストレスの軽減に繋がります。
また、トイレの場所も見直し、犬がリラックスできる場所に設定することが大切です。
このように、さまざまな方法で犬の便秘を解消・予防してあげることが可能です。
日々のケアをしっかりと行い、愛犬が健康で快適な生活を送れるようにサポートしてあげましょう。
食事の工夫
食事は便秘解消の鍵となります。以下の点に注意して食事を工夫してみてください。
バランスの取れた食事
老犬にはバランスの取れた食事が必要です。
ドッグフードの選び方や手作り食の導入を検討してみましょう。
例えば、消化に良い食材を使った手作り食や、高品質なドッグフードを選ぶことで便秘解消に繋がります。
水分摂取の工夫
水分摂取も重要です。犬が飲む水の量を増やすために、以下の方法を試してみてください。
- 水飲み場を複数設置する
- 水に少し塩を加えてみる(獣医師に相談することを推奨)
- 水を冷たくしてみる
便秘予防のための日々のケア
便秘を予防するためには、日々のケアが大切です。
定期的な健康チェック
定期的に獣医師のもとで健康チェックを受けることで、便秘の原因となる病気を早期に発見し、対処することができます。
特に高齢犬の場合は、定期的な血液検査やエコー検査を受けることをおすすめします。
生活リズムの安定
犬には規則正しい生活リズムが重要です。毎日の散歩や食事の時間を一定にすることで、腸の動きを促進し、便秘を予防することができます。
ストレスフリーな環境づくり
犬がストレスを感じない環境を整えることも大切です。例えば、静かな場所で休めるスペースを作ったり、飼い主とのスキンシップを増やすことで、犬の心身の健康を保ちましょう。
緊急時の対処法
便秘が数日続いた場合や、異常な症状が見られる場合は、速やかに獣医師に相談してください。
以下の症状が見られたら緊急事態ですので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
- 便が全く出ない
- 吐き気や嘔吐が続く
- 腹部が硬く張っている
- 食欲不振が続く
早期に対処することで、愛犬の健康を守ることができます。
老犬の便秘を予防するための食生活
バランスの取れた食事と水分補給が鍵だね。
なるほど、食事の工夫が大事なんですね。
ふむ、手作り食も検討してみると良いぞい。
栄養バランスの考慮
老犬の食事には栄養バランスが重要です。適切な栄養バランスを保つことで、便秘の予防にも効果があります。特に以下の栄養素に注意してください。
- 食物繊維: 腸の活動を促進する
- ビタミン: 全身の健康をサポートする
- ミネラル: 消化機能を助ける
手作り食のメリット
手作り食を導入することで、犬の食生活を改善することができます。
手作り食のメリットとしては、新鮮な食材を使用できる点や、犬の好みに合わせた食事を提供できる点があります。
水分補給の工夫
水分補給は便秘予防に不可欠です。犬が水をたくさん飲むように工夫してみましょう。
- フレーバーウォーター: 少量の無塩スープを加える
- 冷水の提供: 冷たい水を好む犬には冷水を与える
- 水飲み場の増設: 家の中に複数の水飲み場を設置する
便秘解消に役立つ食材
以下の食材は便秘解消に役立ちます。
これらを日々の食事に取り入れてみてください。
食材 | 効果 | 説明 |
---|---|---|
キャベツ | 食物繊維が豊富 | 煮込んで柔らかくすると消化しやすくなります |
ブロッコリー | 抗酸化物質が豊富 | 小さく刻んで与えると食べやすいです |
カボチャ | 食物繊維とビタミンが豊富 | 蒸してから与えると良い |
コンニャク | 水溶性食物繊維が豊富 | ほんの少量を与える |
サツマイモ | 食物繊維とビタミンCが豊富 | 煮込んで柔らかくする |
ニンジン | ビタミンAと食物繊維が豊富 | 細かく刻んで与える |
リンゴ | 水分と食物繊維が豊富 | 種を取り除き、薄くスライスして与える |
これらの食材を普段の食事に取り入れることで、愛犬の便秘を予防・解消することができます。
老犬の便秘対策としての生活習慣改善
老犬には規則正しい生活リズムと適度な運動が重要だよ。
散歩や遊びを欠かさずに行うことが大切なんですね。
そうじゃ、ストレスも便秘の原因になるからな。
定期的な運動
運動は老犬の健康維持に欠かせません。以下の点に注意して、適度な運動を行いましょう。
- 毎日の散歩: 短時間でも良いので毎日散歩を行う
- 遊びの時間: 家の中でもボール遊びや引っ張り合いの遊びを取り入れる
- 室内運動: 階段の上り下りや室内トンネルを使った運動を行う
ストレスの軽減
ストレスは便秘の原因にもなります。以下の方法で愛犬のストレスを軽減しましょう。
- 安心できる環境を整える: 静かで落ち着いた場所を作る
- 規則正しい生活: 食事や散歩の時間を一定にする
- スキンシップを増やす: 飼い主との触れ合いを増やし、安心感を与える
定期的な健康チェック
老犬は定期的に健康チェックを受けることが重要です。特に以下の点に注意して獣医師の診察を受けましょう。
- 定期的な血液検査: 健康状態を把握するために定期的に血液検査を行う
- 体重管理: 体重の増減をチェックし、適切な体重を維持する
- 便の状態を観察: 便の色や硬さ、頻度を日々観察し、異常があれば獣医師に相談する
老犬の便秘に役立つサプリメント
プロバイオティクスや消化酵素が効果的だね。
サプリメントで便秘を予防できるんですね。
うむ、オメガ3脂肪酸もおすすめじゃぞい。
プロバイオティクス
プロバイオティクスは腸内環境を整える効果があります。市販の犬用プロバイオティクスを食事に追加することで、便秘の予防・改善が期待できます。
消化酵素
消化酵素サプリメントは、食物の消化を助け、腸の働きを促進します。特に消化が難しい食材を与える際に効果的です。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、炎症を抑え、腸の健康をサポートします。サーモンオイルや亜麻仁油などのサプリメントを追加してみましょう。
飼い主としての心構え
老犬の便秘に対して適切なケアを行うためには、飼い主としての心構えが大切です。
日常的に犬の体調や便の状態を観察し、早期に対処できるようにしましょう。
日常の観察ポイント
- 便の色と硬さ: 異常がないか確認
- 食欲の変化: 食欲が減ったり、食べ残しが増えた場合
- 行動の変化: 活動量や元気がない場合
- お腹の状態: 触ってみて硬くないか確認
老犬の便秘予防に役立つ運動法
高齢犬でも無理なく行える運動法を紹介します。
軽い散歩
老犬には無理のない範囲での散歩が最適です。
短時間でも毎日行うことで、消化器官の動きを促進します。
- 朝夕の散歩: 涼しい時間帯に行う
- 公園での歩行: 柔らかい地面を歩かせることで関節に負担をかけない
- リードを使った運動: 飼い主と一緒に歩くことで安全に運動できる
室内運動
雨の日や外出が難しい日は、室内での運動を工夫してみましょう。
- ボール遊び: 軽いボールを使って室内で遊ぶ
- トンネル遊び: 室内用のトンネルを使って犬を動かす
- 簡単なトレーニング: お座りや待てなどの基本トレーニングを取り入れる
老犬の便秘を防ぐための食生活の見直し
食物繊維が豊富な食材を取り入れてみてね。
食事の内容も見直してみます!
そうじゃな、新鮮な食材を使うと良いぞ。
食事のタイミングと量
食事のタイミングや量を見直すことで、便秘を予防することができます。
- 少量多頻度の食事: 一度に大量に食べるのではなく、少量を頻繁に与える
- 規則正しい食事時間: 決まった時間に食事を与えることで、消化器官のリズムを整える
食事内容の工夫
高齢犬の便秘予防には、食事内容の見直しも重要です。
- 高品質のドッグフード: 消化吸収が良いドッグフードを選ぶ
- 手作り食の導入: 鮮度の高い食材を使った手作り食を取り入れる
- 食物繊維の追加: 食物繊維が豊富な野菜や果物を食事に混ぜる
ストレスを軽減する生活環境
犬がリラックスできる生活環境を整えることも大切です。
安心できるスペース
犬が安心して過ごせるスペースを確保しましょう。
- 静かな場所: 騒音が少ない場所に寝床を設置
- 快適な寝具: 犬用の快適なベッドを用意
飼い主とのコミュニケーション
犬は飼い主とのコミュニケーションを通じて安心感を得ます。
- スキンシップ: 毎日触れ合う時間を作る
- おもちゃで遊ぶ: 犬の好みに合わせたおもちゃで遊ぶ
便秘が解消されない場合の対処法
便秘が続く場合はすぐに獣医師に相談しよう。
やっぱり専門家の意見が必要なんですね。
そうじゃ、早期の対応が大切じゃな。
獣医師への相談
便秘が解消されない場合は、早めに獣医師に相談しましょう。以下の症状が見られたらすぐに動物病院へ連れて行ってください。
- 便が全く出ない
- 吐き気や嘔吐が続く
- 腹部が硬く張っている
- 食欲不振が続く
消化を助ける自然療法
自然療法を取り入れることで、老犬の消化を助け、便秘を解消することができます。
ハーブの使用
特定のハーブは消化を助ける効果があります。以下のハーブを取り入れてみましょう。
- ジンジャー(生姜): 消化を促進し、胃の健康をサポートします。少量を食事に混ぜるか、ハーブティーとして与えます。
- カモミール: 消化を助け、リラックス効果もあります。カモミールティーを薄めて与えることができます。
- ミント: 胃腸の健康を促進し、便秘解消に役立ちます。新鮮なミントの葉を少量、食事に混ぜます。
家庭での応急処置
家庭でできる応急処置もありますが、必ず獣医師の指導のもと行ってください。
- 温かいタオルでお腹を温める: お腹を温めることで腸の動きを助けます
- 適度な水分補給: 水を飲ませることで便を柔らかくします
まとめ
一時的な便秘であれば、稀にあるのでそれほど問題はないです。
しかし、何日もうんちが出ないと食欲不振になり、おう吐がみられ、苦しむようになります。
そうなると病気や異物を飲み込んだ可能性がありますので、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
特に老犬は、胃腸の問題を抱えやすく、便秘になりやすくなります。
毎日の運動や散歩の時間をしっかりと確保し、食生活に気をつけてあげて便秘にならないようにしてあげてください。
老犬の便秘対策まとめ
対策項目 | 詳細 |
---|---|
定期的な運動 | 毎日の散歩や室内運動を欠かさず行い、腸の活動を促進する |
バランスの取れた食事 | 高品質なドッグフードや手作り食を導入し、栄養バランスを保つ |
水分補給 | 複数の水飲み場を設置し、水分摂取を促進する |
ストレスの軽減 | 静かな環境を整え、飼い主とのコミュニケーションを増やす |
健康チェック | 定期的に獣医師の診察を受け、便秘の原因を早期に発見・対処する |
早期に対処することで、愛犬の健康を守ることができます。