高齢の犬は足腰が弱くなることが多いので、適切なケアが大切です。
どうやってケアすればいいのか、全然分かりません…。
うむ、若いうちから気をつけると良いぞ。犬の健康は宝じゃ。
愛犬が散歩を億劫がったり、排泄のポーズがうまく取れなくて失敗することはありませんか?
犬は歳をとってくると、普段の生活の中で足腰の衰えが顕著にみられるようになってきます。
また、犬は身体の構成上、前脚に7割、後ろ脚に3割ほど体重の負荷をかけて生活しているため、後ろ足の筋力が低下しうまく座れなくなります。
おねえ座りと呼ばれる、脚を横にずらした座り方をするようになったら、後ろ脚が衰えている証拠です。
「年齢による老化だから仕方ない..」と放っておくと、ますます筋力が低下し、寝たきりになってしまいます。
愛犬を寝込ませないためにも、エクササイズや食生活の改善で筋力アップさせてあげることが大切です。
今回は、老犬にみられる後ろ脚(足腰)の衰えチェックと改善方法をお伝えしていきます。
後ろ脚の弱り・衰えをチェック
後ろ脚の衰えは、行動を観察することで分かります。
例えば、どんな行動に気をつければいいんですか?
そうじゃな、排泄の失敗やフラフラ歩くのが目安じゃよ。
後ろ脚(足腰)の衰えからくる行動
症状 | 詳細 |
---|---|
フラフラ歩く | 下半身の筋力が低下すると、体重を支えている後ろ足の歩幅が短くなり、次第にもつれるようになります。 |
排泄の失敗 | 後ろ足が衰えてくると排泄ポーズが取れず失敗します。関節の痛みがある場合は、排泄ポーズが取れないため、我慢してしまうこともあります。 |
勢いよく倒れる | 寝っ転がる(横になる)ときにドンと倒れるようになります。愛犬が好んで休憩する場所には、クッションや柔らかいものを敷いてあげましょう。 |
お尻がちいさくなる | 足腰が弱ったり、痛みがあると後ろ足を使わなくなり、筋肉量が減少してお尻が小さく見えるようになります。 |
後ろ足(足腰)の改善方法
筋力エクササイズや食事改善が重要です。
どんなエクササイズをしたらいいですか?
スクワットやオスワリの繰り返しが効果的じゃ。おやつを使うと良いぞ。
犬は足腰が衰えると動くのが億劫になってしまうワンちゃんもいます。
「昔は散歩や運動が大好きだったけど、もう老犬だから控えよう」と考える飼い主さんもいると思います。
しかし、足腰の衰えが原因で運動や散歩を止めてしまうと、血液循環が悪くなり、筋力の低下がますます増してしまいます。
家で動かずに引きこもっていると、筋肉が細くなり、歩行や飛び降りなどが出来なくなってしまいます。
さらに悪化すると、立つこともできなくなり、寝たきりになってしまうのです。
愛犬の後ろ足(足腰)に異常がみられたら、飼い主さんが筋力エクササイズや食事の改善をしてあげましょう。
筋力エクササイズのやり方
愛犬の脚の筋力が落ちてきて足取りがおぼつかなくなっても、歩かせることが大切です。
歩くのが辛そうに見えても、わんちゃん自身は「歩きたい」という気持ちを物凄く強く抱いています。
犬は老化現象を感じるという感覚を持っていないので、急に歩けなくなることを想定していません。
歩けなくなって初めて「歩きたい!散歩したい!」という感情が芽生えるのです。
ですので、歩ける間に筋力トレーニングをしてあげるべきなのです。
犬の筋力アップには、スクワットが効果的です。
ワンちゃんスクワットのやり方
- まずおやつを手に持ちます。
- 犬を立った状態にして、目の前までおやつを持っていきます。
- おやつを持ち上げてわんちゃんの上体をもちあげさせます。
これを5セット繰り返して後ろ足を鍛えます。
オスワリと起き上がり
オスワリの状態のまま、ゆっくりと起き上がらせる(立った状態)ことで、後ろ足を鍛えます。
この時も「おやつ」を使ってうまくオスワリと立つ姿勢の繰り返しを誘導させましょう。
急に起き上がらせるよりもゆっくり立たせた方が後ろ足に負荷がかかりやすく、筋力アップになります。
食事を改善して筋力予防
高タンパク質の食事を取り入れることで筋力を維持できます。
どんな食材を使えばいいんですか?
鶏肉や魚、卵などが良いぞ。バランスの取れた食事が大事じゃ。
犬の筋力アップには、高タンパク質の食事を摂らせてあげることが重要です。
タンパク質は筋肉や臓器など身体を構成するのに必要な栄養素です。
魚や肉などに含まれる質の高い動物性たんぱく質をふんだんに取り入れられた食事は、筋肉組織や筋力の維持に役立つと研究で証明されています。
しかし毎日、意識的に質の高いたんぱく質を食べさせてあげることは大変です。
そこで、犬の健康を保ち、筋力を維持するためには以下のような方法を取り入れると良いでしょう。
高タンパク質食事の取り入れ方
- バランスの取れたドッグフードを選ぶ
- 高品質のドッグフードには、必要な栄養素がバランス良く含まれています。
特に高齢犬用のドッグフードは、筋力維持をサポートする成分が配合されています。
- 高品質のドッグフードには、必要な栄養素がバランス良く含まれています。
- 自家製の食事を提供する
- 鶏肉や魚、卵などを使って自家製の食事を作ることで、愛犬に新鮮で栄養価の高い食事を提供することができます。
これにより、愛犬の筋力維持をサポートできます。
- 鶏肉や魚、卵などを使って自家製の食事を作ることで、愛犬に新鮮で栄養価の高い食事を提供することができます。
- サプリメントを活用する
- 必要に応じて、獣医師と相談しながら筋力維持に役立つサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。
例えば、グルコサミンやコンドロイチンが含まれたサプリメントは、関節の健康をサポートします。
- 必要に応じて、獣医師と相談しながら筋力維持に役立つサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。
リハビリテーションと物理療法の活用
リハビリや物理療法を活用して筋力を維持しましょう。
具体的にどんな方法がありますか?
水中トレッドミルやマッサージが効果的じゃ。関節に負担がかからん。
老犬の後ろ脚の筋力を維持・改善するためには、リハビリテーションや物理療法を活用することも効果的です。
以下の方法を検討してみてください。
- 水中トレッドミル
- 水中で歩行することにより、関節に負担をかけずに筋力を鍛えることができます。水の浮力が犬の体重を支え、筋肉を効果的に使うことができます。
- マッサージ
- 筋肉の緊張をほぐし、血行を促進するために定期的なマッサージを行います。これにより、筋肉の疲労回復やリラックス効果が期待できます。
- ストレッチ
- 柔軟性を保つために、軽いストレッチを取り入れることも重要です。犬の関節を無理のない範囲で動かし、筋肉を伸ばすことで、運動機能を維持します。
老犬の生活環境を整える
筋力維持のためには、生活環境を整えることも大切です。
以下のポイントに注意して、愛犬が快適に過ごせる環境を作りましょう。
- 滑りにくい床材
- 床材が滑りやすいと、犬が歩行時に力を入れづらくなります。滑りにくいマットやカーペットを敷くことで、歩行しやすい環境を作ります。
- 適切なベッド
- 高齢犬には、関節に優しいクッション性の高いベッドを用意しましょう。これにより、寝ている間も体をしっかりサポートし、リラックスできます。
- 段差の解消
- 家の中の段差や階段は、老犬にとって大きな負担となります。スロープを設置するなどして、段差を解消し、移動を楽にしてあげましょう。
獣医師との連携
定期的に獣医師の診察を受けることで、愛犬の健康状態を把握し、適切なケアを行うことができます。
獣医師からのアドバイスを元に、最適な運動や食事、サプリメントを取り入れて、愛犬の健康を守りましょう。
老犬の足腰の健康を保つための工夫
散歩や家庭でできるリハビリを工夫することが重要です。
どんな散歩の仕方がいいですか?
短時間で頻度を増やし、柔らかい地面を選ぶと良いぞ。天候にも注意じゃ。
散歩の工夫
老犬の足腰を守るためには、散歩の仕方にも注意が必要です。以下の点に気を付けて、無理のない散歩を心掛けましょう。
- 短時間で頻度を増やす
- 長時間の散歩は老犬にとって負担となります。短時間の散歩を1日に数回行うことで、適度な運動ができます。
- 柔らかい地面を選ぶ
- アスファルトよりも芝生や土の道を歩かせることで、関節への負担を減らすことができます。
- 天候に注意する
- 暑すぎる日や寒すぎる日は避け、気候の良い時間帯に散歩を行いましょう。特に夏場は熱中症に注意が必要です。
家庭でできるリハビリ
家庭で手軽にできるリハビリ方法を取り入れることで、老犬の足腰の健康をサポートできます。
- バランスボードを使う
- バランスボードの上に立たせることで、バランス感覚と筋力を同時に鍛えることができます。
- 軽いマッサージ
- 筋肉をほぐし、血行を促進するために、毎日の軽いマッサージを取り入れましょう。リラックス効果も期待できます。
- ゆっくりとしたストレッチ
- 柔軟性を保つために、ゆっくりとしたストレッチを行います。関節に負担をかけずに筋肉を伸ばすことが大切です。
老犬の生活環境を整える
生活環境の整備も重要です。滑りにくい床材や適切なベッドを用意しましょう。
具体的にはどんな床材がいいんでしょうか?
滑り止めマットやクッション性の高いベッドが良いぞ。段差の解消も大事じゃ。
老犬が快適に過ごせる環境を整えることも、足腰の健康維持に重要です。以下のポイントをチェックして、愛犬の生活環境を見直しましょう。
床材の選び方
- 滑りにくいマットを敷く
- 家の中の床が滑りやすい場合、滑り止め効果のあるマットを敷くことで、犬が歩きやすくなります。
- 階段や段差の対策
- 階段や段差は老犬にとって大きな負担です。スロープを設置することで、移動を楽にしてあげましょう。
ベッドの選び方
- クッション性の高いベッド
- 老犬には、関節に優しいクッション性の高いベッドを用意します。これにより、寝ている間も体をしっかりサポートできます。
- 温度調節ができるベッド
- 夏は涼しく、冬は暖かいベッドを選ぶことで、季節を問わず快適に過ごせるようにします。
老犬のケアに必要なアイテム
サポートハーネスやリハビリ用グッズを用意しましょう。
具体的にはどんなアイテムが必要ですか?
バランスボールやマッサージローラーが役立つぞ。調整可能なハーネスも便利じゃ。
老犬の足腰の健康を保つために、以下のようなアイテムを揃えると良いでしょう。
サポートハーネス
- 腰や関節をサポートするハーネス
- 散歩時や移動時に腰や関節をサポートするハーネスを使うことで、負担を軽減できます。
- 調整可能なタイプ
- 体型に合わせて調整できるタイプを選ぶことで、より効果的にサポートできます。
リハビリ用グッズ
- バランスボール
- バランス感覚と筋力を鍛えるために、バランスボールを使用します。
- マッサージローラー
- 筋肉をほぐすために、マッサージローラーを使用します。簡単に使えるため、毎日のケアに取り入れやすいです。
老犬との楽しい時間を増やす
コミュニケーションの時間を大切にすることが大事です。
どんなふうに過ごせばいいですか?
新しい遊びやマッサージを取り入れて、一緒に楽しむ時間を増やすと良いぞ。
コミュニケーションの時間を大切にする
- 一緒に過ごす時間を増やす
- 一緒に過ごす時間を増やし、愛犬との絆を深めることが大切です。犬も飼い主とのコミュニケーションを楽しみにしています。
- 新しい遊びを取り入れる
- 年齢に応じた新しい遊びを取り入れることで、老犬でも楽しく過ごすことができます。知育玩具や軽い運動を取り入れてみましょう。
- マッサージやグルーミングの時間を増やす
- 毎日のマッサージやグルーミングは、愛犬にとってリラックスできる時間です。これにより、愛犬の心身の健康を保ちつつ、絆を深めることができます。
適切なサポートを受ける
愛犬の健康を維持するためには、獣医師や専門家から適切なサポートを受けることも重要です。
獣医師との連携
定期的に獣医師の診察を受けることが大切です。
どのくらいの頻度で診察に行けばいいんでしょうか?
定期健診を受けると安心じゃよ。専門的なアドバイスも聞けるしのう。
定期健診
- 定期的に獣医師の診察を受けることで、早期に健康問題を発見し、適切な対策を講じることができます。
- 専門的なアドバイス
- 食事や運動に関する専門的なアドバイスを受けることで、愛犬の健康管理をより効果的に行うことができます。
老犬ケアの専門家に相談
- 老犬ホーム
- 一時的に老犬を預けることができる老犬ホームを利用することで、飼い主が忙しい時でも適切なケアを受けさせることができます。
- ペットシッター
- 自宅で老犬のケアをサポートしてくれるペットシッターを活用することで、飼い主の負担を軽減しつつ、愛犬の健康を守ることができます。
まとめ
歳をとるにつれて後ろ足(足腰)の老化がみられるのは仕方がないことです。
しかし、老犬でも適度な散歩や運動、食生活の改善をすることによって、健康や筋力を維持できるようになります。
犬が歩けない状態になってしまうと、ふたたび歩かせるようにしてあげるのは非常に大変です。
愛犬の脚に違和感を感じたら、歩けるうちにエクササイズや食事の改善をして、足腰の予防をしましょう。
また、愛犬との時間を大切にし、楽しい日々を過ごすことが、健康維持の一助となります。
日々のケアを大切にし、愛犬との楽しい時間を長く続けてください。
これが、老犬の後ろ脚(足腰)の弱り衰えを改善し、寝たきりを防ぐための方法です。
愛犬の健康を守りつつ、一緒に過ごす時間を楽しんでください。