
「犬と暮らしたいんです。でも、昼間は仕事で家を空けるんですよね……」
そんな声を聞くたびに、私はこう思います。
その悩み方、とてもやさしいです。
ただ飼いたいのではなく、
その子に無理をさせない暮らしを考えている。
それだけで、もう立派な“迎える前の愛情”ではないでしょうか。
とはいえ、現実はきれいごとだけでは済みません。
一人暮らしや共働きの生活では、どうしても留守番の時間が生まれます。
だからこそ気になるのが、
「留守番しやすい犬種ってあるの?」
という点ですよね。
先に結論をお伝えすると、比較的ひとりの時間に慣れやすい犬種はいます。
ただし、どんな犬でも“長時間の放置が平気”という意味ではありません。犬種の傾向は参考になりますが、実際は性格差や年齢差も大きく、子犬は特に配慮が必要です。
この記事では、留守番しやすい犬種を比較しながら、
- どんな特徴があるのか
- 一人暮らしや共働きで気をつけたいこと
- 犬種選びで失敗しにくくなる見方
を、できるだけわかりやすくまとめました。
「見た目の好み」だけで決める前に、ぜひ一度読んでみてください。
留守番しやすい犬種は本当にいるの?
「留守番向きの犬」と聞くと、
なんだか“放っておいても平気な犬”のように感じてしまうかもしれません。
けれど、そこは少しだけ注意したいところです。
犬はもともと、まわりとのつながりを感じながら暮らす動物です。
そのため、どの犬でもまったく寂しくないわけではありません。
それでも、犬種によっては
- 比較的落ち着いて過ごしやすい
- 人にべったりになりすぎにくい
- 室内での生活になじみやすい
- 運動量が極端に多すぎない
といった傾向が見られることがあります。
つまり、正確には
「留守番しやすい犬種」ではなく、「留守番生活に合わせやすい犬種がいる」
と考えたほうが自然です。
まず知っておきたい、犬の留守番の考え方
「この犬種なら何時間でも大丈夫ですか?」
そう聞かれたら、私は首を横に振ります。
なぜなら、留守番のしやすさは犬種名だけでは決められないからです。
留守番のしやすさを左右する主なポイント
- 年齢
- 性格
- 毎日の運動量
- 退屈しにくい環境かどうか
- 留守番に少しずつ慣らしているか
一般には、成犬でも留守番は6〜8時間ほどがひとつの目安とされることが多い一方、子犬は排せつや不安の面から、より短い時間で様子を見る必要があります。
つまり、「朝から夜までずっと大丈夫な犬種」を探すのではなく、
自分の生活に合わせやすいタイプを選び、そのうえで環境を整えることが大切です。
留守番しやすい犬種の特徴とは?
ここはとても重要です。
犬種名を覚える前に、まず“どういう性質が留守番向きか”を見ていきましょう。
比較的、留守番に向きやすい特徴
- 気持ちが落ち着きやすい
- 興奮しっぱなしになりにくい
- ひとり時間に少しずつ慣れやすい
- 無駄吠えが出にくい傾向がある
- 室内でも過ごしやすい
逆に、次のタイプは慎重に考えたいところです。
長い留守番と相性が悪くなりやすい特徴
- 甘えん坊で常に人を求めやすい
- 運動量がかなり多い
- 音や刺激に敏感
- 退屈するといたずらしやすい
- 不安が強く出やすい
ここを押さえておくと、
「人気だから」ではなく、暮らしに合うかどうかで見られるようになります。
留守番しやすい犬種比較表【強化版】
まずは全体像をつかみやすいように、一覧で見てみましょう。
| 犬種 | 留守番しやすさ | 一人暮らし向き | 共働き向き | 吠えにくさ | 運動量 | 初心者向き | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| トイプードル | 比較的しやすい | ○ | ○ | △ | 中 | ○ | 室内で飼いやすい犬を探している方 | 退屈するといたずらにつながることがあります |
| シーズー | しやすい傾向 | ○ | ○ | ○ | 低〜中 | ○ | 落ち着いた犬と暮らしたい方 | 被毛のお手入れが必要です |
| マルチーズ | 条件付きでしやすい | ○ | ○ | △ | 低〜中 | ○ | 小型犬を迎えたい方 | 寂しがりやの子もいます |
| フレンチブルドッグ | 比較的しやすい | ○ | ○ | ○ | 低〜中 | ○ | 運動量が控えめな犬を探している方 | 暑さ対策が必須です |
| キャバリア | ややしやすい | ○ | △ | ○ | 中 | ○ | 穏やかな性格の犬が好きな方 | 人なつこさが強い子もいます |
| 柴犬 | しやすい子もいる | ○ | ○ | △ | 中 | △ | 程よい距離感のある犬が合う方 | 個体差が大きめです |
| ビーグル | 条件付き | △ | △ | △ | 高 | △ | 活発な犬と暮らしたい方 | 運動不足に注意が必要です |
| ラブラドールレトリバー | 成犬なら比較的可能 | △ | △ | ○ | 高 | △ | 大型犬でも時間をかけられる方 | 若いうちはかなり元気です |
この表はあくまで目安です。
実際には、同じ犬種でも性格差がありますし、子犬か成犬かでも負担は変わります。
留守番しやすい犬種【小型犬編】
トイプードル
「人気が高いのには理由がある」
そう感じやすい犬種のひとつです。
頭の回転がよく、生活のリズムも覚えやすいため、室内での暮らしに合わせやすい面があります。
一方で、賢いぶん退屈には敏感です。
「ただ待つだけ」の時間が長すぎると、
物をかじる、落ち着かなくなる、といった行動につながることもあるでしょう。
トイプードルが向いているのは、こんな方です。
- 帰宅後にしっかり遊ぶ時間をつくれる
- 小型犬で飼いやすいタイプを探している
- お手入れをこまめにできる
具体例
朝に10〜15分でも軽く遊び、夜にも散歩や声かけの時間をとれる暮らしなら、合わせやすさはぐっと上がります。
シーズー
静かな時間を過ごしやすい犬を探しているなら、候補に入りやすい犬種です。
見た目のやわらかさだけでなく、性格もおだやかな子が多い傾向があります。
激しく動き回るというより、
落ち着いた空気の中でのんびり過ごすほうが得意なタイプと言えるかもしれません。
魅力をまとめると、次のようになります。
- 室内生活になじみやすい
- 落ち着きがある
- 運動量が極端に多くない
ただし、手がかからないわけではありません。
被毛のお世話は必要ですし、ふれあいの時間も欠かせないものです。
マルチーズ
小さくて愛らしく、室内向きのイメージを持たれやすい犬種です。
たしかに住まいとの相性は悪くありません。
その一方で、人への愛着が強い子もいて、
「小さい=留守番が得意」ではないという点は覚えておきたいところです。
こんな方には考えやすいでしょう。
- 静かな住環境で暮らしている
- 小型犬を中心に検討している
- 帰宅後のコミュニケーションを大切にできる
見た目のかわいらしさだけで決めるより、
「甘えん坊な性格でも受け止められるか」で考えると失敗しにくくなります。
フレンチブルドッグ
表情が豊かで、愛嬌のかたまりのような犬種です。
室内生活に合わせやすく、運動量も控えめ寄りなので、留守番との相性を考えると候補に入れやすいでしょう。
ただし、この犬種で外せないのが暑さ対策です。
留守番そのものよりも、「不在時の室温管理ができるか」が非常に大事になります。
向いている方の特徴
- 室内環境をしっかり整えられる
- 激しい運動を毎日求める犬は避けたい
- 落ち着きのあるタイプが好み
キャバリア
人なつこくて、やわらかな雰囲気が魅力です。
そばにいてくれるだけで空気がやさしくなるような、そんな印象を持つ方も多いかもしれません。
ただ、この“人が好き”という性質は、留守番の見方では少し注意点にもなります。
あまりにも長い不在が続く生活だと、負担が出やすいことがあるからです。
向いている暮らし方
- 毎日かなり長時間ではない不在
- 在宅時はしっかり寄り添える
- 穏やかな性格の犬と暮らしたい
留守番しやすい犬種【中型犬・大型犬編】
柴犬
柴犬は、「ほどよい距離感が心地よい」と感じる方に向くことがあります。
べったり甘えるタイプばかりではなく、ひとり時間を比較的受け入れやすい子もいるからです。
ただし、柴犬は柴犬で気質の差が大きく、
頑固さが出る場合もあります。
柴犬が向いている方
- 距離感のある関係も好き
- 毎日の散歩をきちんと続けられる
- 小型犬より少ししっかりした存在感がほしい
「留守番できそう」という一点だけでなく、
性格との相性まで見て決めたい犬種です。
ビーグル
明るくて元気。
一緒にいると楽しくなる犬種です。
ただ、留守番との相性で言えば、“簡単なタイプ”ではありません。
体力があり、動きたい気持ちも強めなので、運動不足になると落ち着きにくくなることがあります。
こんな場合は慎重に考えたいです。
- 平日は散歩の時間をとりにくい
- 音に気を使う住環境
- 活発な犬との暮らしが初めて
ラブラドールレトリバー
家庭犬としてとても人気が高く、人と暮らすことに向いた魅力のある犬種です。
成犬になれば落ち着きやすい子も多いものの、若いうちはかなりエネルギッシュです。
そのため、
「性格が穏やかそうだから留守番も大丈夫そう」
と単純に見るのは少し危険かもしれません。
ラブラドールを考えやすいのは、こんな方です。
- 朝夕の運動時間をしっかり確保できる
- 大型犬に使う時間と体力を想像できる
- 住まいに余裕がある
一人暮らし・共働きで犬を飼うときに気をつけたいこと
ここは、犬種紹介と同じくらい大切です。
むしろ、こちらのほうが重要だと言ってもいいかもしれません。
留守番しやすい犬種を選んでも、暮らし方が合っていなければうまくいかないからです。
確認したいポイント
- 朝と夜に散歩や遊びの時間がとれるか
- 子犬の時期をどう乗り切るか
- 誤飲しやすい物を片づけられるか
- 室温管理を安定して行えるか
- 帰宅後にまったく余裕がない生活ではないか
たとえば、
「昼は留守でも、帰宅後にしっかり向き合える方」と、
「帰宅しても疲れきっていて最低限の世話しかできない方」では、
同じ犬種でも向き不向きが変わります。
犬種選びは入口であって、答えそのものではありません。
留守番しにくい犬の特徴も知っておきたい
「向いている犬種」だけを見ると、つい安心したくなります。
けれど、避けたほうがよい特徴を知っておくと、選び方はもっと上手になります。
慎重に見たい特徴
- 人に強く依存しやすい
- 運動量がかなり多い
- 寂しさが行動に出やすい
- 刺激に敏感で落ち着きにくい
- 声が出やすい傾向がある
もちろん、すべての子に当てはまるわけではありません。
それでも、自分の生活とぶつかりやすい特徴は先に知っておく価値があります。
留守番しやすい犬種を選ぶときのコツ
「結局、何を基準に選べばいいのですか?」
そんな声が聞こえてきそうです。
大丈夫です。
複雑に見えても、見る順番を整えると意外とすっきりします。
選ぶときの順番
- 何時間くらい留守番してもらう生活か考える
- 帰宅後に使える時間を見積もる
- 小型犬がよいのか、中型犬以上も考えるのか整理する
- 吠えやすさや運動量を確認する
- 「自分が好きな犬種」より「自分の生活に合う犬種」を優先する
この視点を持つだけで、
「かわいいから」「人気だから」だけの選び方から一歩抜け出せます。
よくある質問
留守番しやすい小型犬はどれですか?
比較的候補に入りやすいのは、トイプードル、シーズー、マルチーズ、フレンチブルドッグなどです。
ただし、同じ犬種でも性格差があります。
共働きでも犬は飼えますか?
可能ではありますが、犬種選びだけでなく、生活リズム、留守番時間、帰宅後の時間確保が重要です。成犬でも長時間の不在が毎日続くと負担になることがあります。
柴犬は留守番しやすいですか?
比較的ひとり時間に慣れやすい子もいますが、個体差が大きい犬種です。
散歩や刺激の不足が続くと、ストレスがたまりやすくなることもあります。
子犬でも留守番しやすい犬種はありますか?
子犬の時期は、犬種にかかわらず長時間の留守番には慎重さが必要です。排せつや不安の面で成犬より配慮が必要になります。
まとめ
留守番しやすい犬種を探している方へ、最後にいちばんお伝えしたいことがあります。
本当に大切なのは、犬種名ではなく、その子とあなたの暮らしがやさしく重なるかどうかです。
今回ご紹介した中では、比較的考えやすい候補として
- トイプードル
- シーズー
- マルチーズ
- フレンチブルドッグ
- キャバリア
- 柴犬
などがあります。
けれど、どの犬でも
- 年齢
- 性格
- 生活リズム
- 室内環境
によって負担は変わります。
だからこそ、「人気だから」よりも、自分の生活に無理なく寄り添ってくれるかで選んでみてください。
犬との暮らしは、勢いだけで始めるより、
こうして悩みながら準備したほうが、きっとやさしく始められます。
その迷いは、きっと無駄ではありません。
