
「サプサル犬って、初めて聞いたんですけど、どんな犬なんでしょう…?」
そんな声を最近よく耳にします。実は私も、数年前まではサプサル犬という名前を聞いたことがありませんでした。でも、ある日とある保護団体のSNSでふわふわの毛に覆われた可愛い中型犬を見かけて、「なんて優しい目をした子なんだろう」と心惹かれたのが最初の出会いでした。
あなたも同じようなことで悩んでいませんか?
「珍しい犬種って育てるのが難しそう」「飼育情報が少なくて不安」「性格や病気の傾向もわからない」――そんな気持ち、すごくよくわかります。
でも大丈夫。サプサル犬(サプサルゲ)は、古くから人と寄り添ってきた歴史のある、心優しく賢い犬種です。
韓国原産で“邪気を払う犬”とも呼ばれ、大切に育てられてきたサプサル犬は、その落ち着いた気質や忠誠心の高さから、今また注目を集めています。
今回は、そんなサプサル犬について、
「どんな性格?」「寿命は?」「飼いやすい?」「どんな家庭に合うの?」
といった素朴な疑問を、経験者の視点からていねいに解説していきます。
サプサル犬との暮らしを想像しながら、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
サプサル犬の性格と特徴は?歴史からわかる魅力と本質
サプサル犬は、そのふわふわの毛並みと優しい目元が印象的な犬種ですが、見た目だけでは語れない深い魅力があるんです。
実はこの犬、ただの可愛い中型犬ではありません。千年以上も昔から人々と共に生き、“護り犬”として大切にされてきた歴史があるのです。
● 歴史が育んだ「守る本能」と「落ち着き」
サプサル犬の起源は、新羅時代(約1,000年以上前)にまでさかのぼります。
“サプサル”とは、韓国語で「悪霊を追い払う」という意味があり、古くから疫病や災厄を防ぐ“霊犬”として人々の生活に寄り添ってきました。
そのため、サプサル犬は非常に家族想いで忠誠心が強く、飼い主を守る意識が自然と備わっているんです。
一方で、無駄吠えは少なく、穏やかで落ち着いた気質を持ち、初対面の人に対しても警戒はするけれど、過度に攻撃的になることはほとんどありません。
思い当たる節はありますか?
「家の中ではのんびり過ごしてくれて、外ではしっかり守ってくれる犬が理想」――
そんな方には、まさにぴったりの犬種かもしれません。
● サプサル犬の性格をひとことで言うなら「穏やかで信頼深い親友」
以下の表に、サプサル犬の性格的な特徴をまとめてみました:
特徴 | 備考 |
---|---|
穏やかで落ち着きがある | 無駄に騒がず、家の中でも比較的静かです |
忠誠心が強い | 飼い主や家族に対して深い愛着を持ちます |
警戒心はあるが攻撃的ではない | 見知らぬ人には少し距離を置くこともあります |
我慢強く、辛抱強い | 子どもや他の動物とも比較的うまくやれます |
少し頑固な一面もある | 一度嫌なことがあると慎重になるタイプです |
学習能力は高め | 繰り返しのトレーニングでしっかり覚えます |
このように、**“穏やかだけど芯のあるタイプ”**と言えるのがサプサル犬の魅力なんです。
控えめでおっとりしているけれど、いざというときにはきちんと意思を示すような、まるで昔からの友人のような存在です。
● 大きさや見た目は?成犬になると中型犬サイズに
サプサル犬は成犬で体重15〜25kg前後、体高は約50〜60cm程度の中型犬に分類されます。
全身を覆う長い被毛はシルクのような手触りで、白・黒・灰色・茶色などさまざまな色があり、どの子も個性的です。
被毛の量が多いため、実際よりも少し大きく見えることもありますが、体つきはしっかりしていて頑丈。寒さにも比較的強い犬種です。
実際にサプサル犬と暮らしてわかった!しつけと飼い方のコツ
うちのご近所に住んでいるご夫婦がサプサル犬を迎えたのは、3年前のこと。
「他の犬とはちょっと違う子を飼いたいんです」と話していた奥さんの目に、SNSで保護されていた1匹のサプサル犬が留まったそうです。
ふわふわの毛並みにキリッとした瞳、でも表情はとても優しげで、「この子にしよう」と直感で決めたと聞きました。
でも、いざ迎えてみると「全然言うこと聞かない!」「おっとりしてるのに、頑固すぎてトレーニングが進まない…」と最初は戸惑いもあったようです。
そこで、私が一緒にトレーニングに付き添ったり、散歩中にアドバイスしたりして、少しずつ“その子に合ったペース”で向き合っていくことにしました。
● 鍵は「焦らずゆっくり、信頼関係を築くこと」
サプサル犬はとても繊細で、初めての環境や人に対して時間をかけて信頼を築いていくタイプです。
焦って無理にしつけをすると、逆に不信感を持たれてしまい、後々のトレーニングがうまくいかなくなってしまいます。
特に印象的だったのは、「おすわり」や「待て」を覚えるよりも、“アイコンタクト”が取れるようになるまでの時間。
サプサル犬は、一度心を許すとこちらの目をしっかり見てくれます。
その視線が信頼の証であり、しつけのスタート地点だと感じました。
● 飼い方のコツは“生活リズムを整えて、ルールを一貫させること”
実際にご夫婦が試して効果があった方法を、以下にステップでまとめました:
✅ サプサル犬のしつけ・飼い方5ステップ
ステップ | 内容 | 補足ポイント |
---|---|---|
① 信頼関係づくりから始める | 最初の1週間はトレーニングより環境に慣れさせる | 優しく声をかけ、無理に触らない |
② 規則正しい生活リズムを守る | 食事・散歩・睡眠の時間を一定にする | 犬が安心して過ごせるパターンを作る |
③ アイコンタクトを習慣づける | 名前を呼んでこちらを見たら褒める | おやつよりも“言葉のごほうび”が効果的 |
④ 一貫したルールを守る | 家族全員でしつけ方針を揃える | 「ソファはOK」「ベッドはダメ」など明確に |
⑤ 根気よく、楽しみながら教える | 1日10分でOK。無理なく、褒めて育てる | 毎日コツコツ続けることが大切 |
このご夫婦も、最初は苦戦していましたが、数ヶ月たった頃には「まるで家族の一員として意思疎通ができるようになった」と話してくれました。
特に、無理にトレーニングを急がなかったことが良かったと実感しているそうです。
もし同じ方法を試すとしたら、
まずは“うちの子のペースを知ること”から始めてみてはいかがでしょうか?
「急に指示を出す」よりも、「まずは信頼を積み重ねる」ことが、サプサル犬と穏やかに暮らすカギになります。
サプサル犬の健康を支えるごはんの工夫とは?食事で変わる体と心
サプサル犬は、ふわふわの長毛やしっかりした体つきが特徴的ですが、その美しい被毛と健康的な体を保つには、やっぱり毎日のごはんが大きく関係していると感じます。
私の知人が飼っているサプサル犬の“クオンくん”は、もともと保護犬として迎えられたときは、毛がゴワゴワでお腹もゆるく、すこし元気がありませんでした。
でも、ごはんを見直してからというもの、毛並みはサラサラに、排泄も安定して、目に力が戻ってきたんです。食べ物が身体に与える影響って、本当に大きいんですね。
● どんな栄養バランスが理想?サプサル犬に合う食事のポイント
サプサル犬は中型犬で、活発すぎず穏やかな性格のため、必要なカロリー量や消化吸収のしやすさを考えたごはんが向いています。
被毛も豊かなので、皮膚・毛に良い栄養素を意識することも大切です。
以下に、サプサル犬向けに意識したい栄養素と役割をまとめてみました:
栄養素 | 主な役割 | 含まれる食材例 |
---|---|---|
タンパク質 | 筋肉・被毛の維持、免疫力の向上 | 鶏むね肉、魚、豆腐 |
オメガ3脂肪酸 | 皮膚の健康、被毛のツヤ、抗炎症作用 | アジ、サーモン、亜麻仁油 |
食物繊維 | 腸内環境の改善、便の安定 | さつまいも、かぼちゃ、にんじん |
ビタミンE | 抗酸化作用、老化予防 | かぼちゃ、ほうれん草、植物油 |
グルコサミン | 関節の健康維持 | 鶏軟骨、すじ肉 |
特に被毛に悩みが出やすいサプサル犬は、オメガ3脂肪酸やビタミンEを意識して摂らせると調子が整いやすくなります。
● 「少し手をかけるだけ」で犬の体調が変わる
クオンくんの飼い主さんが試していたのは、
「市販のフードにほんの少し手作りのトッピングを加える」という工夫でした。
たとえば…
- 朝はドライフード+すりおろした人参を少量トッピング
- 夜はドライフード+ささみを湯がいて細かく刻んだものを加える
- 週に1〜2回、サーモンを焼いてほぐし、混ぜて与える
それだけでも、「便のニオイが減った」「毛にツヤが出た」「朝の目覚めが良くなった」と、目に見える変化が出ていました。
やっぱり、食べるもので体って変わりますよね。
私も、自分の愛犬が高齢になってから食事を工夫するようになって、口臭や毛の乾燥が改善された経験があります。
「うちの子、今のフードだけでいいのかな?」と感じたことはありませんか?
そんなときは、一度“ほんの少しだけ”手を加えてみると、意外な変化があるかもしれませんよ。
サプサル犬と穏やかに暮らすために。まとめと読者へのメッセージ
サプサル犬という、ちょっと珍しいけれど、実はとても人懐こくて賢い犬――。
この記事を通して、そんな子たちの魅力や性格、飼い方のポイントが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
サプサル犬は、強い信頼関係を築ける“人生の伴走者”のような存在です。
一緒に暮らすうちに、だんだんとこちらの気持ちを読み取り、ゆっくりと心を開いてくれるその姿に、きっとあなたも「この子と出会えて良かった」と思う日が来るでしょう。
もちろん、最初は戸惑うこともあるかもしれません。
「なかなか懐いてくれない」「頑固でしつけが大変」「お手入れに時間がかかる」…そうした悩みも出てくると思います。
でも大丈夫。焦らず、できることから少しずつ。
あなたのペースで、あなたらしいサプサル犬との暮らしを育てていってくださいね。
そして何よりも大切なのは、「完璧でなくてもいい」という気持ちです。
犬たちは、飼い主の完璧さよりも「優しさ」や「安心できる空気」をちゃんと感じ取ってくれます。
あなたとサプサル犬が、のんびり寄り添いながら、穏やかな毎日を積み重ねていけますように――。
そんな気持ちをこめて、この記事を締めくくらせていただきます。
👉 「なお、すべての犬に共通するわけではありません。個体差がありますので、様子を見ながら無理のない範囲で試してくださいね。」