
最近、こんなことで悩んでいませんか?
「最近、前みたいにごはんに飛びつかなくなった」
「好き嫌いが増えてきて、用意したものを残すように…」
「食べてくれないと元気もなくなるし、どうしたらいいの?」
私のところにも、よくそんな相談が届きます。
実は、うちの柴犬の「もも」も14歳。以前は、ごはんの準備を始めると尻尾をフリフリしながらキッチンに駆け寄ってきたのに、10歳を過ぎたあたりから「ん?今日はあまり食べないな…」という日が増えてきました。
ごはんって、犬にとっても「日々の楽しみ」のひとつですよね。
それが楽しくなくなってしまったら、きっと私たち以上に寂しい気持ちになるんじゃないかな、って思ったんです。
だからこそ、「シニア犬のごはん」がその子の毎日を左右する。
そんな風に感じるようになってから、私は食事を見直してみることにしました。
【高齢犬の食欲が落ちる理由】加齢による変化とごはんの関係
では、なぜ高齢になるとごはんを食べなくなるのでしょうか?
これは、「わがまま」や「気まぐれ」ではありません。実はちゃんとした身体的・精神的な理由があるんです。
加齢による身体の変化
原因 | 影響されること |
---|---|
嗅覚や味覚の低下 | 香りや味の感じ方が鈍くなり、ごはんの興味が減る |
消化機能の衰え | 脂っこいものや繊維が多いものを避けるようになる |
噛む力・飲み込む力の低下 | 固いフードがつらくなり、食べづらさを感じる |
思い当たる節はありますか?
うちの「もも」も、もともとカリカリが大好きだったのに、ある日から口に入れてはペッと出すようになったんです。最初は心配で獣医さんにも相談しましたが、「年齢的な衰えかもしれませんね」と言われ、納得しました。
心の変化も影響します
シニア期になると、ちょっとした環境の変化や体調不良が、食欲に大きく影響することもあります。
たとえば、
- 天気が悪い日
- お腹の調子がちょっと不安定な日
- ひとりぼっちで過ごす時間が長かった日
こんな日には、ふだんより食が細くなることも。
私たち人間も、「今日はなんだか食欲ないな…」って日、ありますよね。わんちゃんも同じなんです。
【うちの子が笑顔になったごはん改革】実践してわかった3つの工夫と対処法
「どうしたらまた、ごはんの時間を楽しみにしてくれるかな?」
そう思って始めたのが、「高齢犬にやさしいごはんの工夫」でした。最初からうまくいったわけではありませんが、試行錯誤の末に「これなら食べてくれる!」というコツが少しずつ見えてきたんです。
同じように悩んでいる方の参考になればと思い、私が実践して効果があった対処法を3つご紹介しますね。
① 香りを立たせて、食欲スイッチをON
高齢になると嗅覚が鈍くなるため、フードの「香り」がとても大切になります。
実践した方法:
- ドライフードを少しぬるま湯でふやかす
- 手作りしたスープや煮汁をフードにかけて香りづけ
- 香りの強い食材(鶏肉、かつお出汁など)をトッピングに少しだけ使う
ももは、ふやかしたフードに鶏のゆで汁を少し垂らすだけで、くんくん匂いをかぎながら、また食べ始めるようになりました。
もし同じ方法を試すとしたら、お気に入りのフードにちょっとだけ「香りのごほうび」を加えてみてください。驚くほど表情が変わるかもしれませんよ。
② 食感と温度で「食べやすさ」を追求
噛む力や飲み込む力が弱ってきた子には、食感も大きなカギになります。
試した工夫:
状態 | 食べやすさのポイント |
---|---|
やわらかめに調理 | 歯が弱くても食べやすい |
ほんのり温かい | 香りが立ち、内臓も冷やさない |
水分を多めに | 誤嚥予防&水分補給にも◎ |
ドライフードをそのまま与えるのではなく、少しふやかす、刻む、温めるだけでも「食べやすさ」はグッと変わります。
私は特に、電子レンジでほんの10秒ほど温めるだけの工夫が一番効果的でした。「ごはんの匂いがふわっとして、ももがキッチンに寄ってきた日」は本当に嬉しかったです。
③ 食べる時間と環境を見直す
意外と見落としがちなのが、「ごはんを食べる時間帯」や「場所」です。
高齢犬は体内リズムが変わるので、若いころと同じ時間帯ではうまく食べられないこともあるんです。
工夫した点:
- 朝は控えめ、夕方以降に食欲が出るタイプだったので、食事の配分を変更
- 静かで安心できる場所でごはんタイムを確保(テレビ音を消す、家族の出入りが少ない部屋)
- スプーンで一口ずつあげると、なぜか嬉しそうに食べてくれた
もしかしたら、「食べない」のではなく、「食べにくいだけ」かもしれません。
あなたのわんちゃんにも、食べやすい“時間”や“場所”があるかもしれませんね。
【やっぱり大事な栄養バランス】高齢犬のごはん、こんな工夫で元気に!
「食べてくれる」ことももちろん大事ですが、やっぱり気になるのが「このごはんで栄養足りてるのかな?」ということ。
高齢になると、若いころと必要な栄養バランスも変わってきます。
うちのももも、10歳を過ぎた頃から急に体重が落ちたり、毛並みに元気がなくなったり…。そのたびに「ごはん、これで合ってるのかな?」と悩みました。
でも、少しずつ栄養や食材を見直していくうちに、少しずつですが表情が変わってきたんです。
シニア犬にとって大切な栄養とは?
以下のような栄養素は、特に高齢期に意識したいポイントです。
栄養素 | 働き・期待できること | 工夫したこと |
---|---|---|
タンパク質 | 筋肉の維持、免疫力を支える | 消化しやすい鶏ささみや白身魚を加える |
食物繊維 | 腸内環境を整える | やわらかく煮た野菜をトッピング |
オメガ3脂肪酸 | 被毛や皮膚の健康サポート | 青魚の煮汁を時々スプーン1杯だけ |
ビタミンB群 | 疲労回復や代謝アップ | レバーや卵をほんの少しプラス |
水分 | 脱水・腎臓への負担軽減 | スープ状のごはんで自然に摂取 |
全部を完璧に…なんて思わなくて大丈夫です。
私も、できる日だけ・ほんのちょっとだけ、というスタンスでやっていました。
「今日はさつまいもをゆでたから、ちょっとだけ混ぜてみようかな」
「冷蔵庫に鶏むね肉があるから、湯がいてスープにしてみようかな」
そんな気軽な気持ちでいいんです。
やっぱり、食べるもので体って変わりますよね。
私自身もそうですけど、ももの毛並みがふんわりしてきたり、目の輝きが戻ってきたのを見て、「ごはんってこんなに大切なんだ」と実感しました。
「うちの子には何が合ってるんだろう?」
そう考えることから、変化が始まります。
【焦らなくて大丈夫】“その子のペース”でできることから始めよう
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
高齢犬の食事って、「これが正解」という答えが見つかりにくいですよね。
毎日様子が変わるし、昨日食べたものを今日はプイッと拒否…なんてこともある。私も何度も、心配で心配で胸がぎゅっとなりました。
でも、そんな“変化”こそが、シニア犬との暮らしの一部なんですよね。
完璧じゃなくていいんです。できることから、少しずつで。
私が何よりも嬉しかったのは、ももがまた「ごはんだ!」ってキラキラした目で近寄ってきてくれたこと。
その笑顔を見たとき、「あぁ、これで良かったんだ」って思えました。
もし今、「うちの子が最近あまり食べてくれない…」と不安な気持ちでいるなら、
今日ご紹介したような小さな工夫から、試してみてください。
焦らず、できることから少しずつ。
その子のペースを大切にして、毎日のごはんが「嬉しい時間」になりますように。
あなたと、あなたの大切なわんちゃんに、笑顔が増えますように。心から願っています。
👉 なお、すべての犬に共通するわけではありません。個体差がありますので、様子を見ながら無理のない範囲で試してくださいね。